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 ツール・ド・おきなわ 沖縄本島一周サイクリング
(2004年11月12〜15日)

目指せ完走!! 沖縄本島一周

 いわゆる「選手」と呼ばれる人達とは違う「素人」でも楽しめる自転車関係のイベントにも、いろいろな種類があります。たとえばマウンテンサイクリングin乗鞍やツール・ド・美ヶ原などは、登りの達成感を求めるヒルクライム。シマノ鈴鹿などは、本格的なロードレースの形態を採りながらも一般の人達が参加できるイベントで、いずれも高い人気を得ています。
 またそれらとはちょっと毛色が違うものとして最近とくに人気が盛り上がってきているように感じるのが、レースのように先着を争うのではなく、純粋に長距離を走破することに達成感を求めるロングライド系と呼ばれるイベントです。極端に強い負荷をかけずに済むため、幅広い参加者が楽しめるのが人気の理由となっているのでしょう。
 日本国内で行なわれているオープンなロングライド系イベントといえば「ツール・ド・のと」と「ツール・ド・おきなわ」が双璧なんじゃないかと個人的には思ってます。まあ、沖縄の方はあくまでも国際200km、市民120km、市民80kmなどのロードレースがメインで、ロングライド系サイクリングは門戸を広くするための部門、といった感はあります。それでも沖縄本島一周サイクリングは一泊二日で公称330kmを走破するわけですから、それなりに走り応えはあるし、サポートもしっかりとつく本格的なイベントです。

出るぞっ!!

 じつはワタクシ、去年(2003年)に初ツール・ド・おきなわを体験すべくエントリーしていました。ところがよりによって大会数日前になって背中の古傷が化膿。それでも前日までは参加するぞと気合いを入れていたのですが、出発の前の晩には仰向けに眠ることができないほどに傷が腫れ上がる始末。結局、土壇場になって参加は断念し、取った休日は手術/通院に使い切るという、なんとも悲しい結果になってしまいました。
エアパッキンとベルクロのバンドでホイールやハンドルが動かないようにキッチリ固定。リアディレイラーはハンガーから外してシートステーに固定し、ペダルも取り外してある。この状態で輪行袋に入れて航空機輪行した
 そんなわけで今年はそのリベンジです。大会参加申し込みは早めに済ませ、夏の乗鞍事前合宿に向かうクルマの中からインターネットで割引航空券を手配(便利な世の中になったものです)。とりあえず最低限の条件はとっとと整えます。
 ツール・ド・おきなわ沖縄本島一周サイクリングの日程は11月13〜14日の一泊二日です。しかし参加登録は前日夜、またゴール後は各レースの表彰式を兼ねたパーティがあったりします。そこで私が立てたスケジュールは、12日に沖縄入りして三泊四日。15日に帰京する予定でした。
 となると、必要となるのが宿の手配です。13日の夜の宿はイベントに組み込まれているものの、12日夜と14日夜の2泊分はこちらで用意しなければなりません。去年はそのへんを同行予定の知人にすべて任せていたのですが、今年は落車骨折のためエントリーせずとのこと。アテが外れて、当初は会場からかなり離れた宿を予約する羽目になってしまいました。しかしここからが運の強かったところで、偶然にも今年10月に名護市内にオープンするホテルの情報をゲット。結果的には良さげなビジネスホテルをオープン特価の格安料金で確保できました。
 出発前日まで仕事で準備はかなり慌ただしいものでした。なかでも不安を残したのが航空機輪行。手荷物として預けた後、どんな扱いを受けるのか分かりません。とはいっても持っているのは普通の輪行袋のみ。結局はエアパッキン(通称プチプチ)をかき集めて、フレームのチューブを保護し、リアディレイラーは取り外してこれもエアパッキンで包んでフレームにベルクロのバンドで固定。さらに前後にエンド保護具を装着し、ペダルを外して、スキュワーを抜いたホイールがズレないようにちょっとキツめに縛ったのですが、それ以外はごくごく普通の輪行パッキンングです。
窓から見えてきた沖縄本島。珊瑚礁の砂浜は白というよりは明るいレンガ色。往路の飛行機はあちこち傷らだけでボロかった
 ただ、それだけやっても心配なものは心配。そのため持っていく自転車はルックにするかコルナゴにするか悩んだのですが、万一何か事故があっても痛手が小さい方は、ということでルックに決定。ルックにとっては身もふたもない言い方ですが、じつは理由はもうひとつありました。私のルックのフレームは、元オーナーがこれでツール・ド・のとを走っています。だったらコイツでツール・ド・おきなわを走れば、メジャーロングランを両方とも走破したフレームになるじゃないか、という気持ちになったわけです。
 ちなみにこの日程で沖縄に行く便は、やはりツール・ド・おきなわに参加する人達が結構搭乗するようで、航空会社側もそのへんの扱いは心得ているようでした。手荷物を預ける際は、こちらから言わなくても「自転車ですね」と確認してくれるし、受け取りの際もターンテーブルに出てくる普通の荷物とは別に、手渡しで引き渡してもらえました。まあ、預ける時に何かあっても文句は言わないという一筆を書かされはするんですけど。
 雨の羽田空港を離陸した後は、3時間あまりで那覇空港に到着です。やっぱり飛行機は速いですね。早めに航空券を手配したおかげで席が窓際で退屈しなかったし、揺れもなくまずまずは快適な空の旅です。ただひとつ参ったのは、ちょっと前の方の席で離陸滑走を始めた途端に尋常じゃない量の香水を吹いたばばあ御婦人がいて、しばらくは目がしみるほどの強烈な匂いに包まれたこと。勘弁してほしいっす。

めんそーれー!! おきなーわー!!

奥に見える建物が那覇空港のターミナルビル。街路樹にはなんちゃらヤシモドキとかいう木が植わってて、南国気分を盛り上げてくれます
 初めて降り立った沖縄の地、那覇。北緯26度と東京辺りの人間にすれば桁外れに南に位置するだけに、やっぱり日差しが違います。11月も半ばになろうかというのに、気温も気候もほとんど夏。8月生まれで寒いのが大嫌いな私にとっては天国です。
 那覇空港から名護までは、去年同行するはずだった知人の弁によると「2時間くらいじゃないかな」とのこと。だったら荷物はあるけど自走で充分。空港の建物を出たところでとっとと輪行の荷解きをして自転車を組み立てます。
 ところが同じように輪行袋を抱えて出て来た人達は、みんなが申し合わせたように高速バスの腹に自転車をそのまま押込んでいます。せっかく自転車持ってるしこんなに天気がいいのにバスですかぁ? と思ったけど、まあそこはヒトはヒト。みなさんそれぞれに思惑があるんでしょう。
 沖縄は右も左も分からない初めての地だけど、こっちには心強い味方、GPSがハンドルに取り付けられています。それによるとまずはR58に出て、ひたすら道なりに行けば名護市に行けるはず。ホテルも参加登録受付会場もR58沿いだから、何も考える必要はありません。せっかくだから途中で写真でも撮りながら観光を兼ねて移動しましょ、ということで、空港通りというそのまんまの名前の道からR58に出てたらたらと走り始めます。

名護は遠かった?!

なにやらアヤシい建物が…と思ったら単なる街のレストラン。凄いぜ沖縄
 しばらくは那覇の市内を走ることになるのですが、さすがにこのへんはただの都会の風景。とくに面白味も無いかわりに、標識もそこここにあって安心、安心。ほら、名護までの案内もあと65kmってちゃんと出てる…、え? 65km? まぢ? 2時間くらいって…。ここまですでに5kmくらい走ってるんですけど。じゃ、こんな信号だらけのとこ含めてアベ35km/hで走れってか?
 まあ、そんなことは事前に調べとけば簡単に分かることなので、悪いのは知人の言葉を真に受けた自分。ただいずれにしても、相当マジに走らないと受付に間に合いそうにありません。ところがボトルは空、着てるものは下にレーパン履いてるとはいえ短パン重ね履き。昼飯だって食べてません。ダメじゃん。
コンビニで買ったパンはお馴染みつぶあん&マーガリン。でもブランドが「ぐしけん」です
 ということで慌てて目につくコンビニに寄ってパンで補給。そういや沖縄で目につくコンビニって、ファミリーマートとローソンばかりです。他はたまーにホットスパーを見かける程度。セブンイレブンの勢力圏じゃないみたいですね、沖縄は。
 そんなわけで、水も買って短パンも脱いで、ちょっと本気モードに突入です。でもこの時期の沖縄は風が北向きに変わるタイミングだそうで、この日も生憎の北風。しかも結構強い。街中はまだしも、海岸線に出ると全然進まないっす。ひどい時はインナーローのヨロヨロ走りです。おまけに重い荷物が背中にのしかかってるから、登りがあってもダンシングなんて絶対無理。泣けてきます。かといって急がないことには受付が…。
 結局、途中でライトオンのナイトランとなってしまい、ホテルのチェックインを後回しにして、なんとか受付をクリアしました。しかし観光できなかったどころか、この時点で疲れたわ背中と腰は痛いわで、もうこれ以上自転車で走るのなんてイヤ状態。明日からどーするんだよ、と、マジで鬱になりました。
 ちなみに宿は、前にも書いたように今年10月にオープンしたばかりのホテル・ルートイン名護というところ。カテゴリーとしてはビジネスホテルなので、シングルルームはそれなりに狭いけど、新しくてキレイだし会場から1kmちょいと近い。最上階には露天風呂にもなる(季節によっては屋根が開くらしいが今回は閉まってた)大浴場もあってそこそこナイスです。
 斜め向かいのコンビニがあることを確認したうえで、夕飯くらいは外食するかと近所のファミレをフロントで尋ねると「すぐ並びにL&M(だっけ?)というところが有ります」とのこと。早速行ってみたら、マクドナルドに毛が生えた程度の脂っこいアメリカンフードばかりの店でした。がっくり…。当然のようにとっとと撤退して、コンビニで朝食分とともに買い出しをして部屋に帰投。食事を済ませてシャワーを浴びたら、泥のように眠りました。

大会スタート!!

大会当日朝の会場風景。黄色い大きなアーチが大きなイベントっぽい雰囲気です。でもレースは翌日の日曜日なので比較的閑散としてます
 当日は5時に起床。この時刻じゃ窓から見える空はまだまだ暗いけれど、とりあえず天気は心配ないようです。ささっと用意をして6時過ぎに会場へ行くと、入口には昨日はなかった空気で膨らました黄色いアーチ。なんとなくビッグイベントっぽい雰囲気が出始めてます。宿泊地へ運んでもらう荷物を預け、その後開会宣言やらなにやらをやっているうちに時刻は7時。いよいよスタートです。
 ちなみにコースは名護から島の西側海岸線に沿って北上し、北端の辺戸岬経由で奥へ。ここまではほぼR449、R505、R58と国道を乗り継いでいく形で、その後県道で東海岸側を南下。宜野座村まで南下したところで1日目は終わりです。2日目はさらに南へ向かい、沖縄市、那覇市を抜けて糸満市まで行き、そこから島の西側を北上するかたちで名護へと帰ります。
 沖縄本島一周サイクリングはレースと違うので、交通規制などはまったくなし。一応スタッフの先導員が一人だけ一緒に走るのですが、ごく普通の公道走行で、かなりスローペースです。こちらは初参加で何も分からないので、とりあえず少し後ろについて淡々と走り始めます。
 しかし数kmも走ると動きが出てきました。前日の説明会で「安全な範囲で自分のペースで走ってください」と言われていたせいか、スローペースにしびれを切らした小集団が後方からハイスピードで追い越していきます。こうなると、どのへんにペースを合わせるべきか悩むところです。
 こっちは昨日の疲れや身体の痛みが残っています。じゃあ、行けるところまでは速い集団に引っ張ってもらってマージンを作り、いよいよキツくなったら回収されない程度にスローダウンすりゃいいか、と判断。速い集団が追い越して行く度に、そのケツを借りてついて行くことにしました。
 ところが最初のチェックポイントで早くも誤算に気づきます。先頭には常にオートバイが1台つくのですが、チェックポイントではそこで全員を止まらせます。ようするにいくら最初に速く走ったところで、作ったマージンは次のチェックポイントで全部吐き出しちゃうわけです。それでも早くチェックポイントに着けばその分長く休憩できるわけだし、サイクリングイベントということもあって、後方には走りが怪しい人もチラホラ。できりゃ前の方で走ってた方が何かと良さそうです。

速いぞ!!先頭集団

休憩所では必ず全員集合するので、一時的とはいえ参加者で溢れかえります。ここは道の駅大宜味村
 ただある程度、速組、遅組が別れてしまった後の先頭集団は、マジで速いこと速いこと。私の足じゃ、大抵は走り出して数kmで千切れます。途中の休憩ポイントで先導のオートバイの人に「先頭の人達は速いですねー」と話しかけたら「45km/h出てるもんなぁ」とボソッと呟き呆れてました。おまけに最初にこの先頭集団に乗ってしまうと、後続と一気に離れてしまうので、千切れた後はほとんど一人旅。これじゃただの快速ソロツーリングです。
 それでも50kmを過ぎたあたりからは、似たようなペースの人がじわじわと前に上がってきてくれたおかげで、海沿いの向かい風の強い区間は第2集団、第3集団を形成しながらクリア。場所に寄っては先頭交代しながらのペース維持が行なわれたりして、ちょっぴりレース気分も味わえました。
 いくつかのチェックポイントは補給所になっていて、バナナ、みかん、ドーナッツ(みたいな揚げパン?)、ジュースなどがもらえます。天気はいいし、気温も自転車で走るには絶好の暖かさ。おやつを食べながら芝生に座り込んだりしてると、本当に天国です。

行きはよいよい帰りは…

奥やんばるの里での昼食は、牛肉と野菜を煮込んだスープとご飯。シンプルだけどエネルギーを必要とする身体にはご馳走です
 沖縄本島北端に近づくと、いよいよ登りの始まりです。まあ坂そのものはそれほどキツいところはないのですが、ここまでの80kmほどをハイペースで走ってきてるので、ハッキリ言って結構辛いです。昨日の疲れも追い打ちをかけます。それまで一緒のペースで走ってた人達に置いていかれ、オレってこんなに坂弱かったっけ、と自己嫌悪に苛まれながらもなんとかひと丘越えて、さらに登った分の標高を一気に吐き出すように下ると、やっと昼食ポイントに到着です。
 前日の説明会では「去年は昼食で牛が一頭無くなりました」と言ってたので、かなりボリュームたっぷりのブツが出てくるのかと思ったら、なんという名前か分からない牛と野菜を煮込んだスープと白いご飯のみ。まあまだ行程の半分だからこれでもいいけど、ちょっと前宣伝が誇大じゃないですかい、コレ。それでも酷使した身体にとってはご馳走で、ガツッとかっ込んだ後は芝生の上で横になり、しばし牛の気分に浸りました。
休憩所のうち数カ所は補給所にもなってます。給水はもちろん、ジュースや果物、揚げパンなどが置いてあって自由に食べることができます
 前半は比較的フラットな西海岸沿いを走ったのに対し、昼食後はかなり雰囲気が異なる東海岸沿いを南下します。ようするに丘越えのアップダウンが続くわけです。これもフレッシュな足だったら大したこと無い勾配と距離なんですが、疲れた身には結構堪えます。このへんになるともう先頭集団に着いていこうなんて気はさらさら起きず、ひたすら淡々と距離を稼ぐのみです。
 走行距離が130kmを越える頃になると、やっと身体が馴染んできたのか、それとも途中の休憩場所で補給食として買った沖縄名産黒糖が効いてきたのか、若干足が軽く感じられるようになってきます。ただ一方で、サドルで圧迫され続けている座骨まわりのお尻が痛い…。普通だったらこの程度の距離でこれはないはずだから、やっぱり前日の無理が祟ってるんでしょう。症状はだんだん酷くなって、しょっちゅうお尻の位置を動かしたり、何でもない場所でまでダンシングを取り混ぜないと辛い。情けないっす。
 コースは山っぽいところを抜けて海沿いや市街地に入ったかと思うと、再び登り下りが連続する区間が現れたりして、なかなか休ませてくれません。それでも堪え難きを堪え忍び難きを忍んで走り続けていると、突然目の前にコース案内スタッフが現れて右へ曲がれとの指示。トドメにキツめの坂を10分程(体感値)登ると、やっと宿泊地となる農協の研修所に到着しました。
 公称190kmの初日コースは自転車のメーターで185kmほど。まあメーターの方に誤差があるだろうから、公称値どおりってところですかね。

肉、肉、肉!!

道端で何気なく大輪の花を咲かせているハイビスカス。このへんも南国ならでは
 宿にはとくに決まった自転車置き場が用意されているわけじゃないので、玄関前の適当な場所にワイヤーロック掛けて自転車停めて、割り当てられた9人部屋に荷物運んで大風呂へゴー。同室の人達はまだ到着してないみたいです。大風呂は広くて結構キレイ。明日に備えておケツをよーく揉みほぐします。明日も140km走るんだよなーと思うと、正直な話、本当に完走できるかどうかちょっと不安になってくるのも事実。でもここまできたらゴールを目指すのみ。なんとか頑張りましょ。
 夕食は宿舎の庭で、地元の人やら女子高生のボランティアやらの手によるバーベキュー(?)大会です。このテのイベントは、こういった土地の人達の協力に支えられている部分が大きいですね。我われ参加者としても、そういったところで土地や風土と触れ合えるようで本当に有難いです。
 で、料理はというと、とにかく肉が盛りだくさん。牛、豚、鳥となんでもござれ状態でありました。でも焼き上がってからこっちの手元に来るまでのタイムラグが少々長く、牛や豚は堅くて歯が立たないっす…。結局、焼き鳥とソーセージ以外は残しちゃいました。スミマセンです。
最後の休憩ポイントでは記念写真を撮影。写真は有料で後から郵送されるシステムってあたりがちゃっかりしてるけど、まあ記念だからと購入する人がほとんどでした
 お酒も好きな人達は結構盛り上がってたようですが、私はある程度食べ物を腹に詰め込んだ段階で部屋に撤収。同じような方二人と手分けして9人分の布団を敷いて、とっとと就寝しました。疲れているので鼾かいて他の人に迷惑かけたらまずいかなあ、なんて心配もちょっとだけしたけど、夜中、かなり盛大に吸気音、排気音を響かせてる御仁がひとりいたので、多分、私ごときの鼾はかき消されていたのではないかと(笑)。

意外にも余裕の2日目

 翌日はいかにもな日本風和食バイキングで朝食を済ませた後、予定より30分前倒しの6時半に出発となりました。この日は那覇の市街地を走るうえ、道路の混雑が予想されるための前倒しとのことでした。
ゴール後は会場で表彰式。豚の丸焼きやら豚汁、鳥汁、寿司と、ここでも食べ物は盛り沢山
 心配したお尻の痛みはとりあえず回復しているようで、この分なら完走自体は問題無さそう。しかも今日は安全確保の意味合いからか、先導員追い越しはなしという取り決めとなったらしくペースも緩めです。
 本島南端を掠めて那覇空港の脇を抜けると、前々日に走ったのとほぼ同じコース。こうなると気分的にも楽ちんです。時折上がるペースも程よい刺激で、先頭近くで走り続けることができました。
沖縄本島一周サイクリングの完走証。ゼッケンと一緒にパウチしてくれるサービスもあります
 この日も基本的にはいい天気。寒がりの私でも朝走りだす時にアームウォーマーを装着した以外は、夏装備で全然問題なしの気温。さすが沖縄です。最後の最後でちょっとだけ雨上がりのウェット路面を走ることになりましたが、直接降られることはほとんどありませんでした。
 途中で何ヶ所かのチェックポイントに立ち寄り、最後のチェックポイントでは記念撮影もして、再び名護市民会館に帰り着いたのは予定よりちょっと早めの午後3時22分。いろいろと不安要素はあったものの、とりあえず完走です。ヨカッター。完走できなかったら来年も沖縄本島一周リベンジになっていたので一安心です。
 会場ではすでにレースの表彰式等が行なわれていてかなり盛り上がりを見せています。我々沖縄本島一周組は、完走証を貰い預けていた荷物を受け取ってから、そのまま会場の中に溶け込みます。
 一応私もクラブ員登録しているショップチームの人達がいたので話を聞くと、どうやらクラブ員が市民レースでクラス優勝したとのこと。チャンピオンクラスでも結構いい結果が残せたそうで、こちらもヨカッタよかった。
 会場で豚の丸焼きやら何やら豪勢な食べ物を適当につついた後は、一応翌日のバス輪行のリサーチを済ませて、初日に泊まったホテルに再度チェックイン。もうお腹は一杯だったので、前々日は行かなかった大風呂に浸かってほっと一息。腕や顔はかなり日焼けしていてお湯が滲みるけど、思い切り外で運動してきた後の証拠ということでいい気持ちです。湯上がり後にコインランドリーで洗濯済ませたら、さすがに即寝でした。

結局帰りも…

帰りがけに見つけた嘉手納基地前の米軍放出品ショップ(?)。いきなりロケットみたいなモノが置いてあったり、庇の上に爆弾載ってたりするのがなんとも
 翌日は朝起きてみると外は雨。でも朝食をとっているうちに雨は止んで、空はみるみる青空が広がってきます。こりゃどう考えたってバスに乗るのはもったいない天気です。前日は体力的に余裕だったし、今日は時間的にも急ぐ必要はなし。おまけにすぐに必要無さそうな荷物は昨晩のうちにホテルから宅配便発送してしまったので荷物も軽くなってます。だったら、ってことで、帰りの空港までの道程も自走しちゃいましょということになりました。
 往路と違って時間が切羽詰まってないので、今度は途中で写真を撮ったりしながらののんびり走行。それでも追い風基調でペースは早く、そのまま空港へ行ったのではかなり待ち時間があります。
 どうしようかと思いながら空港の近くまで来て見ると、近くに「海軍壕公園」なるものがあるという標識。海軍関係なら海沿いだから坂はないだろうし、距離的にも3kmほど。時間潰しにはちょうどいいかなと寄って見ることにしました。
 ところが標識どおりに進んで行くといきなり丘。まあひと丘くらい仕方ないかと登ってみると、今度はしっかり下って、さらにその先に丘の上を指す矢印標識が。えーい、くそっ、とヤケクソ気味に登って行くと、丘のてっぺんに旧日本海軍の施設跡の公園がありました。
予想に反して丘のてっぺんにあった海軍壕公園。旧日本海軍の施設跡らしいです丘の上だけあって見晴らしは最高。最初で最後の沖縄観光はここでまったりと過ごしました
 でもさすがに高い場所だけあって、見晴らしは抜群。展望台になっている東屋からは、那覇の市街や空港に飛行機の発着するのまでよく見えます。今回最初で最後の観光でした。
 しばしそこで放心してから、再びひと丘越えて空港へ。2度目ともなれば幾分慣れた航空機バージョン輪行パッキングもサクッと済ませていざ帰郷です。
 私が沖縄に行っている間、東京方面はというか本州はずっと天気が悪かったそうで、羽田に着くと直前まで雨が降っていたどんよりした曇り空。走って走れないことはないけど、道は濡れてるし輪行を解くのも面倒です。まあ、この4日間は十二分に走ったことだしと、モノレールと電車とバスを乗り継いで帰宅しました。
 これにてツール・ド・おきなわツアーは完全フィニッシュ。

来年はレースか?!

 2年越しチャレンジになってしまったし、それなりにお金も暇も費やしたツール・ド・おきなわ沖縄本島一周でしたが、やっぱり行って良かったなーというのが、今回の印象でした。なによりも、この時期に半袖短レーパンで日焼けしながら思い切り自転車に乗れるというのは最高です。もしロングランに興味があるなら、絶対お勧めのイベントのひとつと言っていいでしょう。
 私は次の目標はレース参加かな。来年はスケジュールが許せば、80km市民レースにでも出てみようかと思ってます。 inserted by FC2 system