ビアンキMTBでスポーツサイクルに乗り始めてから約2年後の1999年12月に買った、最初のロードレーサーがこれです。前年にパンターニがダブルツールを獲って一気に人気が高まった感のあるビアンキですが、私としては長年憧れたブランドだけに、あまりブームに乗っかってるように見られるのは嬉しくなかったのも事実。なので最初はシンプルなチェレステ単色のフレームで、とヘソを曲げてもみました。ところが神宮のロードレーサー専門店に行ってみたところ、フェイドイエローのメルカトーネウノ・カラーながらも、カンパニョーロ・コーラスで組んだビアンキの展示車が。しかもその実車ならかなり値引いてくれるとの話です。結局、半日悩んで買うことにしました。
なにしろこのモデル、売れ筋のアルミフレームではなく、ボロンスチールという軽量スチール製。アルミ嫌いの私には大いに魅力的でした。それにスチールフレームといっても昔流の丸パイプをラグでロー付けしているのではなく、極薄チューブにいかにもビアンキらしい潰し加工を施してTIG溶接したもの。シートステーもSベンドさせてあって、チューブの太さと溶接痕を除けばアルミフレームとそっくりのモダンな外観を持っています。重量も8.5kgと材質と装着パーツを考えれば軽量の部類といえるでしょう。
初めてのロードレーサーということで、最初は乗り方も分からなければ身体も慣れていない。で、毎日のように夜になると内堀通りまで行って皇居まわりを2〜3周しては、まずはドロップハンドルのライディングポジションに慣れるように努力しました。また自分より経験のある知人を作ることも重要だろうと、この頃からニフティの自転車フォーラムへ出入りするようになり、練習会やツーリングに混ぜてもらいます。山へ行ったり、草レースに出たりと、いろいろな自転車の楽しみ方を学習できたのは、彼らとの出会いがあったからこそといっていいでしょう。そしてより一層、自転車の深みに嵌っていくことになりました(笑)。
ところで私が自転車に乗るようになってから、釣られるように自転車に乗り始めたり、乗るのを再開した友人が何人かいます。そんな友人の一人がある日、ロードレーサーを買い替えました。新しい自転車はカンパニョーロ・レコードで組んだコルナゴCT1で、重量は8kgくらい。べつにフレームに対してはそれほど羨ましいとは思わなかったのですが、やはり装着パーツがレコードで軽いというのはちょっと差をつけられたみたいで悔しいところです。
そこで「このビアンキも組んでから2年ほどが経ったからそろそろリフレッシュする」という理由をこじつけて、パーツをコーラスからレコードにグレードアップすることにしました。ついでにフロントフォークもパンターニがダブルツールを獲った時のように、コラムまでカーボンのタイムのフォークにしてアヘッド化。サドルもクッションや表皮を省略したカーボンむき出しの、フライト・エボリューション3に変更です。しかしここまでやっても結局重量は8kgを切ることはできず。この貴重なる体験によって、下手に軽量化にのめり込むと大変なことになるぞ、ということを学習しました。
それにこの時の軽量化は金銭以外の代償を払うことにもなりました。マズかったのがフロントフォーク。装着したタイム・エキップフェザーライトは初期の超軽量カーボンフォークのせいかコラムまわりの剛性が不足気味なようで、ブレーキングや下りのコーナリングでの挙動が以前に較べ明らかに頼りなくなったのです。
またこの頃から、フレームそのものにも若干不満を感じはじめてきました。実際にレースで多用されている最新フレームと較べると、肝心な部分の剛性が低いんじゃないかということが、浅い自転車歴ながらも薄々分かってきたのです。たとえばヒルクライムだったら、セカンドバイクにしているラティードの方がタイムが出そうな感触さえ受けます。そんなこともあって、その後はホイールをちょっと古いカンパニョーロ・プロトンに履き替えてみたり、ペダルをタイムにしたりと、いくらでも転用が利くパーツ交換を楽しむ程度にとどめ、次に買うべきフレームのことを少しずつ考え始めるようになりました。
ところがそんな矢先の2002年の11月に事件が起こりました。日曜朝の走行会を走った後、そのまま池袋サンシャインで行なわれていた自転車ショップのバーゲン会場へ乗りつけたところ、友人の自転車と一緒に構造物に固定しておいた2本のワイヤーロックをあっさり切断され、このビアンキ・ボロンが盗まれてしまったのです。早速すぐに近くの交番に駆け込もうとしたところ、逆に現場方向から警官に呼び止められ、何も言わないうちから「盗られましたかっ?」の一声。どうやら前日にも3台ばかり盗難事件があって、警察がそれとなく張っていたとのこと。にも関わらず僅かな隙を突いて再度犯行が行なわれたようです。やはり自転車関連のバーゲン会場などに自転車で行くものじゃありません。
そんなわけでこのビアンキ・ボロンは帰らぬ自転車になってしまいました。フレーム入れ替えを考えていたとはいえ、非常に愛着と思い出のある一台だっただけに残念でなりません。
フレーム | ビアンキ ボロン(C-T=510mm) |
フロントフォーク | |
シートポスト | |
ステム | |
ハンドル | |
ヘッドパーツ | |
レバー | |
ブレーキ | |
ボトムブラケット | カンパニョーロ レコード |
クランク | |
フロントディレイラー | |
リアディレイラー | |
リアスプロケット | |
チェーン | |
ボトルケージ | エリート イノックス |
メーター | キャットアイCC-CL200 |
ホイール | |
タイヤ | クレメン/ミシュラン等 |
チューブ | ミシュランA1 |
サドル | |
ペダル | |
バーテープ | シルバ |