▲Top Page ▲愛車たち △戻る

COLNAGO C40 (2002/11-2007/3)


メカはカンパニョーロ・レコード10S。クランクはやはりこのレコードフォルムが魅力。ペダルはタイム・インパクトのマグ/チタン
 ビアンキ・ボロンが盗難に遭った時、真っ白になった頭の中を強引に整理して善後策を考えました。一応盗難届は出したが、果たして盗まれた自転車が戻ってくるか? 否、その可能性はかなり低いだろう。それじゃロードレーサーは手元に残っているもう一台のラティードで佳しとするか? 否、やっぱりそれなりに持つことに満足できる自転車が欲しい。じゃあどうする?
 じつはこの時点で、新フレーム購入計画はかなり具体的に進行中でした。この日、池袋のバーゲン会場という、高価なロードレーサーを乗りつけるにはあまり気の進まない場所にビアンキ・ボロンで行ったのも、そのまま馴染みのショップに直行し、オーダーのための採寸(自転車も含めて)をする予定だったからです。これは言い換えれば、とりあえずフレームを買う資金はあったということ。ただしパーツはビアンキ・ボロンから移植するつもりだったので、予定どおりフレームを購入したら自転車として組み立てることができません。かといって、今さらラティードからコーラスを外すのも…。
 その時思い出したのが、つい数時間前に自分がいたバーゲン会場の壁に、盗まれたビアンキ・ボロンとまったく同サイズのコルナゴC40のフレームが掛かっていたことでした。Bステーになる以前の型落ちモデルではあるけれど、値段は19.8万円と格安プライス。上代50万円のフレームがこれなら安いね、と同行の友人と話していたばかりでした。
C40にレコードにITMウニカ。まさにカーボンの自転車といった感じ。メーターは手元操作が可能なエルゴブレイン
 さらに同会場ではカンパニョーロ・レコードの8点セットが約12万円と、これまた破格で売られていました。それを組み合わせれば、ホイールや他の必要部品を調達しても、当初のフレーム購入予算でなんとか1台組むことができそう。ということで速攻でバーゲン会場に引き返し、札束を叩きつけるようにして(大袈裟(笑))購入したフレームとパーツで組んだのがこのC40です。
 そんなわけで、C40にはとくに思い入れがあったわけではありませんし、むしろコルナゴというブランドに対しては、個人的にはそれほどいいイメージは持ってはいませんでした。以前、C40以外のいくつかのモデルは友人に試乗させてもらったことがあり、たしかに乗ればいいフレームなのは分かっていましたが、だからといって物欲を刺激されるほどでもなかったのです。
 それは大枚を叩いて買ったこのC40にしても同じ。本当に欲しいものを買った時のような心躍るような期待と感動があったわけではなく、半分は仕方なく、半分はせっかくだからしばらく乗ってみるか、的な意識だったのが事実です。バチが当たりそうな言い草ですが、物欲なんてそんなものでしょう。
 ところが組み上げて実際に走ってみたら、これが想像よりも遥かにいいのにびっくり。まずフレームの剛性感が素晴らしく高い。かなりラフにガシガシとペダルを踏みつけても、その力が少しも無駄にならずに推進力に変わっていく、そんな印象の効率の良さが感じられます。さすがプロのレース機材として高い評価を得ていたフレームは違うなーと感心。まあ、プロを含めた豪脚の方達に言わせるとこれでもリアの剛性に不満があるらしく、結果としてC40はBステー化、HPチェーンステー化と進化の道を辿るわけですが、素人の貧脚では充分を通り越してたっぷりとお釣りがくるほどの高剛性です。
サドルはセラ・イタリア製のフライトの軽量版、フライトTT。ノーマルのフライトより固めだがとりあえずロングライドでもOK。シートポストは純正のカーボンで28mmφ
 フロントまわりにしても、ビアンキ・ボロンやラティードとは次元の違ったしっかり感です。後にこのフレームで修善寺CSCのレースを走ってみると、秀峰亭(だっけ?)からの下りが楽なこと楽なこと。ビアンキ・ボロンで完全ノーブレーキだとちょっと腰が引けてしまうようなところも、C40だと何のためらいもなく突っ込んでいけます。コーナリング中も最初に狙ったラインをキレイにトレースしてくれるし、途中からのラインの変更もほぼ思いのまま。コーナリングに対してまったくと言っていいほど恐怖感が湧かないのがかえって怖いくらいです。
 またC40に乗って驚くのは、それだけロスが少ない硬いフレームなのに、乗り心地が決して悪くない点。路面からの突き上げは情報としてダイレクトに伝わってくるものの、角の取れた優しい衝撃に置き換えられている感じ。そのため長時間乗った後の疲労度もかなり少ないようです。たとえばトレック5000シリーズだと「カツンッ」という硬質のショックが伝わってくる路面目地越えでも、C40の場合は「トンッ」という乗り手に対する攻撃性が小さい衝撃に減衰されます。実際に2日で3~400kmを走るロングライドにも何度か使ってみましたが、C40だと本当に楽に走ることができました。「アガリ」の自転車と言われていた理由が分かる気がします。
 唯一、堅さとして気になったのが、ハンドルまわりに伝わってくる微振動で、これは純正ステムがITMミレニアム相当の硬いものなのに加えて、当初はやはり堅さで定評の軽量アルミバーITMミレニアムを組み合わせていたのが原因だったようです。ドロップバーをカーボン製のITMウニカに交換したところ、時折感じた肘の痛みがきれいに解消されました。
 購入時の事情ゆえに愛着の湧き方がちょっと妙ですが、今ではこのフレームに出会えたことを本当に良かったと思っています。

追記 (04/12/08)

 先日、このC40を買ったのと同じ某ショップのバーゲンに行ったところ、レコードのコンパクトクランクとフロントディレイラーのセットがそこそこ安くなっていたので思わず衝動買い。予想外の散財をしてしまいました。脚力が不足気味なので、登り対策はやはりコンパクトクランクかな、ということで。
 買ったのはギアが50-36Tのもの。インナー36Tということはリアに13-26Tのスプロケットを組み合わせれば、レーシングスタンダードの39Tのインナーに13-29Tを組み合わせたのとほぼ同じローギアが得られる計算です。逆にスプロケットを12-25Tにすれば、トップギアは52×13Tよりも速い。私の足で使うならレースに出るにしても問題なさそうです。またアウター50Tだと、見た目の問題としてあまり小さくなっているように見えないのもグッド。
 以上のギア比の問題はこのへんのデータを参照してみてください。
 速さと軽さを両立させるには50-34Tという選択肢もあるのですが、FSAの50-34Tを使う知人のインプレを聞いてみると、アウターとインナーのギア比の繋がりが今一歩良くないとのこと。またインナーでトップ側のギアを使おうとすると早期にチェーンがアウターに接触するらしいので、やはり歯数差は14Tの方がいいのかな、という気になりました。
 実際の低ギア比化の恩恵やギア配分の具合は坂を上ってみないことには分からないのですが、この季節だとロードレーサーで山に行くのは、気候的にも陽の長さの面でもそろそろ厳しそう。というか冬はMTB遊びの方へシフトする予定なので、本格的な効果の確認は春以降になってしまうかもしれません。
 ちなみにこのクランク交換で重量は100g以上は軽くなっている計算。試しに精度100gのヘルスメーター計測をしてみたところ、追加写真の状態で7.7kgでした。最近の軽量カーボンロードほどじゃないですが、やはり8kgを切るくらいになると乗っても持っても軽いです。

アルミクランクの頃に較べ、ちょっと重たい感じになったようにも思える外観。ただフレームがカーボン繊維の見えるクリア仕上げで、かつ他のメカもカーボンパーツ多用のレコードなので、見た目のバランスはそれほど悪くないはず。アウター50Tなので極端にチェーンリングが小さく見えないのもスタイリング的にはマルかも
布地のように織られている一般的なCFRPと違って、03レコードのカーボンクランクから採用が始まったマルチダイレクショナルタイプは大理石のような模様が特徴。特殊な表面処理が施されたチェーンリングの歯数は50-36Tで、チェーンリングのフィキシングボルトは黒いトルクスになっている
フロントディレイラーもコンパクトドライブ専用に交換。チェーンガイドのアウタープレートはカーボン製となる。インナープレートが大きいので一見重そうだが、スチール製チェーンガイドの03レコードが90gなのに対して73gと思いのほか軽量。同時にチェーンも穴あきの軽量タイプに交換した

フレームコルナゴC40(C-T=510mm)
フロントフォークコルナゴ スターカーボン
シートポストコルナゴ カーボン(28.0mmφ)
ステムコルナゴ(ITMミレニアム相当/110mm 100mm)
ハンドルITMウニカ(外外420mm)
ヘッドパーツカンパニョーロ レコード
レバーカンパニョーロ レコード エルゴコントロールレバー
ブレーキカンパニョーロ レコード(Dタイプ)
ボトムブラケットカンパニョーロ レコード
クランクカンパニョーロ レコード(170mm/52-39T) カンパニョーロ レコード カーボンCT(170mm/50-36T)
フロントディレイラーカンパニョーロ レコード カンパニョーロ レコードCT
リアディレイラーカンパニョーロ レコード
リアスプロケットカンパニョーロ レコード(13-26T)
チェーンカンパニョーロ レコード カンパニョーロ レコード(穴開き)
ボトルケージカンパニョーロ レコード
メーターカンパニョーロ エルゴブレイン10
ホイールカンパニョーロ ユーラス
タイヤミシュラン プロレース(20×700C)
チューブミシュランA1
サドルセライタリア フライトTT セライタリアSLRトランザム セライタリア フライト トランザム
ペダルタイム インパクト マグ/チタン タイムRXS Tiカーボン
バーテープシルバ
inserted by FC2 system