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GT XCR3000 (2003/10-2004/9)


フロントフォークはロックショックスのジュディ100で名前のとおりストローク100mm。ブレーキはリンク構造を持たないシンプルなAVIDのVブレーキ
 私が所有した自転車の中でも、最も不遇の扱いを受けたのがこのGT。なぜなら本格的にその用途に使われたのがただの1回だけ。手元にあった期間も1年となく他人の手に渡ってしまいました。
 そもそもロードレーサーに乗り始めてからというもの、MTBに乗る機会は激減していました。そしてその一因が、ビアンキMTBがフルリジッドであったからということは否定できません。もちろんビアンキでも何度か山サイと呼ばれる担ぎ登りありのシングルトラック遊びに行ったことはあるのですが、40過ぎの体力で一日身体をサスペンションとして作動させるのは、なかなか厳しいものがあったわけです。
 一方、個人運営の某掲示板では、時折MTBによる近場の里山遊びの話題がちょくちょく上っていて、これが結構楽しそうです。それに私だってべつに、MTB遊びが嫌いというわけじゃありません。そこで思いきりサスペンションの恩恵に預かれるMTBを投入し、自転車がそれなりなら自分もまだ里山遊びを楽しめるんじゃないか、ってことを再確認したくなった次第で、そんな意図から2003年秋にネットオークションで購入したのがこのXCR3000でした。自分にとっては初のアルミ製自転車です。
 XCR3000を選んだ一番大きな理由は、手頃な値段で中古が流通していたこと。随分な理由ですね。初心者がMTBルック車を買う動機と大差ありません。まあ、フルサスの欠点であるペダリングロスを軽減するi-driveというメカのお手並みを拝見してみたい気持ちもありましたが、それでも高かったら買わなかったはず。やはり安い割にサスがバリバリに効きそうだったから買ったというのがホンネです。
 購入動機はともかく、未知のフルサスMTBを買ったわけですから、早速、都内某所の里山遊びに乗っていきました。ところが、まず最初に30km強の自走アプローチで死にました。これはタイヤがオンロード走行のことなどまったく考えていない、DH指向のものだったというところにも大きな問題があったのですが、それにしても走りが重い。しかもやはりフルサスはフルサスでしかないという感じで、ロードレーサー的なケイデンスを上げたペダリングで走ろうとすると、車体全体がポヨンポヨンして、なかなか思うように前に進んでいってくれない感じです。里山に着く前に疲労困憊の相を呈してしまいました。
これがi-driveの心臓部となるハンガーシェル部。サスペンションのストロークに応じてエキセントリックシェルが回転しBB位置を移動させる
 しかしいざ里山に入ってしまってからは、それまでの悪い印象は完全に覆されました。まず下り。前後とも100mmのストロークを持ち、スムーズに動きかつダンピングの効いたサスペンションは、多少木の根が張っていようがガレていようが、まるで平坦路のごとく走り抜けることが可能です。ちょっとオーバーに聞こえるかもしれませんが、フルリジッドMTBから乗り換えた身には、まさにカルチャーショック級の驚きでした。倒木の丸太越えも、余程太いものでない限りは抜重と荷重移動だけでパスできてしまうし、急坂下りの途中での進路変更もあっけないくらい楽。
 そしてさらに本領発揮といえるのが急坂登り。オフロード用タイヤを履かせてもなおトラクションが抜けやすいような柔らかい土の路面でも、XCR3000をインナーローのシッティング漕いでいくと、拍子抜けするくらい簡単に登りきってしまいます。その間サスは結構動いているのだけれど、足に掛かってくる負荷はほとんど変動がなく、ちゃんとクランクを回してさえいれば力強い駆動力が身体をグイグイと押上げてくれる。これこそi-driveの効果なんでしょう。
 ただ乗車で行けないところがあると、どうしても泣きが入ります。車重が14kg以上あるうえに、前三角に肩が入らない。加えて重量バランス的に前がかなり重いので、サドルの前方を持つと前下がりの竿立ちになってしまい、とにかく扱いづらいのです。
 結局このXCR3000での里山遊びは最初にも書いたようにこの1回限り。ただ当初の目的は充分に果たすことができたように思います。やはりフルサスの威力は絶大であることが分かったし、重量的なハンデの大きさも身をもって理解できた。またフルサスの場合はフレーム形状にも気を使わないと、担ぎがある場面では非常に使い勝手が悪いことも教えられました。
 とはいっても今風軽量フルサスはそれなりに高価。もうしばらくはXCR3000で遊ぼうと思っていたのですが、あるきっかけで次のMTBを購入する顛末となってしまったため、結局は再びネットオークションの壇上へ。買い値の半額ほどで次のオーナーの元へと旅立っていきました。自分がオークションで売ったものの中では、珍しく元が取れていない(と感じる)一品でした。

フレームGT XCR3000(Sサイズ)
フロントフォークロックショックス ジュディ100
シートポストオデッセイ インタック(27.2mmφ)
ステムアゾニック(80mm)
ハンドルイーストンEA50モンキーバー
ブレーキレバーAVID
ブレーキAVID
クランクシマノ デオーレLX
シフターシマノ デオーレLX
フロントディレイラーシマノ デオーレXT
リアディレイラーシマノ デオーレLX
リアスプロケットシマノ デオーレLX(11-32T)
チェーンシマノ
メーターキャットアイCC-CL200
ホイールシマノ デオーレLX/マビックX618
タイヤミシュラン ワイルドグリッパー・ホットS
サドルセライタリア フライト
ペダルタイム アタック アリウム
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