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GIANT MR20 (2006/8-2006/11)


ダホンの後継車選び

MR20の大きな特徴となっている片持ち式フロントフォーク。新品で馴染んでいないということもあるのかもしれないが、あまりストロークしてはくれない リアハブまわりも方持ち式でかなり特殊に見えるが、フリーボディはごく一般的なシマノ互換タイプなのでスプロケットの選択肢は多い。写真では900系の8速XTRの12-28Tを装着
 日頃の移動をほとんど自転車で賄う生活をしていると、ロードレーサーやMTBとは違った日頃の足として使いやすい自転車も1台欲しくなるものです。そしてまさにそういう目的で買ったのがダホンのスピードP8だったわけですが、結果的にダホンは大活躍してくれました。ちょっとそこまでの買い物や食事のための外出はもちろん、天気が怪しくてロードレーサーで行くのは気が重い日の輪行通勤など、想像していた以上に出番が多かったといっていいでしょう。
 しかしそうやってバリバリと実用に供していると、所詮は定価5万円ほどの自転車なので各部の消耗が目立ってきます。とくにハブに関しては新車時から心許ない部分がありました。しかも前輪はオーバーロックナット寸法80mm弱という特殊なサイズなので、交換しようにもいいパーツはなし。後輪も135mm幅28Hなので、クォリティアップを目指すとなると選べるパーツがいきなりXTRになってしまいます。ようするに実質的には手を出すのが非常に難しいパーツ構成といっていいでしょう。
リアサスの基本形式は直押しタイプでスイングアーム上にBBシェルを持つ。特徴的なのはシートチューブ下端がスイングアームに連結されている点で、走りの重さはこの機構に問題があるのでは?
リアハブまわりも方持ち式でかなり特殊に見えるが、フリーボディはごく一般的なシマノ互換タイプなのでスプロケットの選択肢は多い。写真では900系の8速XTRの12-28Tを装着
 なので、そろそろ丸ごと買い替えかなぁ…などと漠然と思っていたりしたわけですが、そんな時に見つけたのが馴染みの掲示板に書き込まれていた神奈川の某自転車ショップのバーゲン情報。中でも目に止まったのが「ジャイアントMR20」という文字でした。
 MR20は以前サイクルショーで初めてプロトタイプを見た時から、片持ち式の前後輪やどう動くのか分からないリンク式フレームなど、いろいろな意味で興味を持っていました。それだけにディスカウントされた値段で買えるという話にはムズムズと食指が動きます。
 ただ持っている情報があまりにも少なかったため、慌てていろいろとリサーチしてみると、MR20には通常モデルとライトと呼ばれる軽量版があることが判明。前者は駆動系が8速で重量が13.2kg、後者は9速で12.3kg。タイヤとリムの太さもライトの方がやや細めとなっているものの、他の部分はフレームなど主要部分を含めて共通のようです。そして安売りされるのは無印の方でした。
 重量13kg台は決して軽くはありません。でもちょっとパーツを入れ替えてやれば、ダホンと同じレベル程度にはなりそうに思えます。タイヤも20インチHE規格(406)だから、交換する際の選択肢に不自由はしないでしょう。畳んだ時の寸法がやや大きめなのがやや気になりますが、嵩張るのは高さ方向。輪行時の障害になるほどではないでしょう。ということで、購入計画発動となりました。
 しかし私はバーゲン初日に仕事が入っているので行くことができません。そこで匿名R恵さんに代理で行ってもらうことにしました。そもそもその特売品が何台あるのかも分かりませんし、発送可能かどうかも分からない状態。まあ、買えたら買ってみる程度のつもりで臨むことになりました。
 ところがそういう時に限って不測の事態というのは起きるものらしく、自転車でバーゲン会場に向かった匿名R恵さんが途中でパンク。どうしても会場時刻に間に合いそうにないと踏んだため、バーゲンに行きそうな自転車仲間のKさんに電話をかけ、ブツの仮押さを依頼することになりました。なんだか知らぬ間に大事になってます。
エクスタシーというメーカー(商品名?)の折り畳みハンドル。フロントのバックルを解放することで折り畳みや固定ができる。メーターやライトを装着するスペースが無くなるので別途ステーの装着が必要
 でも、そこまでしてもらった甲斐があって、展示車両1台のみの放出だったMR20は無事ゲットすることに成功。発送手続きもしてもらい、1週間ほどで大きな箱に入って我が家に届きました。
 早速乗れる状態にして近所を走ってみま。まず最初に感じたのは、リンク機構だらけの折畳み自転車の割には、非常にフレームがしっかりしていること。軋みやガタつきは皆無です。このあたりはさすがジャイアント。堅実そのものの作りです。  ただ気になったのは、ライディングポジションが妙にアップライトな点。じつはこのMR20、初期モデルはハンドルに折畳み機構を持っていなかったのですが、06モデルからコラム部を横に倒すタイプのギミックが追加されています。そのためにステムはかなり上の方へ伸び、私程度の身長(170cm)ではほとんどママチャリポジションとなってしまうわけです。
 さすがにこの状態では乗る気になりません。仕方なくフォークコラムに直接アヘッドステムを取りつけるようにしてみると、それなりの前傾ポジションは出るものの、やはり輪行の時にハンドルが邪魔です。
 なんとかならないものかとインターネットでいろいろ検索してみると、ハンドル自体に折り畳み機構を備えたものがあり、実際にそれをMR20に取りつけている人がいるとのこと。とりあえず現物をチェックするため、小径車のことならココ、といわれる和田サイクルへ行くことにしました。
 知り合いの常連さんに付き合ってもらったせいもあってか、あっという間に目の前に出てきた折畳みハンドルは2種類。いずれもバー部分を後方に折り畳めるタイプで、片方はクイックレバーで固定用スリーブをスライドさせる方式。もう片方はバックルタイプです。バックルタイプの方は値段が高いのですが、グリス汚れの心配がなく作りもしっかりしている印象なのでそちらを購入しました。
リアディレイラーは77デュラ。小径車はワイヤーの取り回しが厳しいのでローラマジッグを組み合わせている クランクはデュラの7410。チェーンリングはアウターがTAの52T、インナーがストロングライトの40T。特別な意図があるわけではなく手持ちパーツを組み合わせただけ
 ポジションに関してはまだまだ試行錯誤が必要そうだったので、ステムは調整範囲が非常に広いルックのエルゴステムを組み合わせます。ハンドルとステムで1kgというのがかなりナンですが、まあ、折畳み自転車の基本機能に関わるパートだけに仕方のないところでしょう。とりあえずこの部分の重量には目をつぶることにしました。
 ちょっと問題だったライトやメーターを取りつけるスペースが無いことについては、以前買ったフロントバッグ用のライト装着ステーがあったので、それをちょっと加工して装着。見栄えは今一歩ですが、ライト無しでは走れないのでとりあえず良しとします。
 クランク、ディレイラー、リアスプロケット、シフター等は、同じく8速だったダホンで使っていたものを流用。こちらは多少は軽量化に貢献しているはずです。
 以上のような軽いカスタマイズさえすれば、ポジションばっちり、乗って軽快な快速小径車の出来上がり、と喜べるはずでした。ところがなかなか思うようにならないのが現実の難しいところ。
 というのもポジションはいいにしても、何故か妙に走りが重いのです。というかかなり重い。同じ小径車と一緒に走っていても、ちょっとペースを上げられるとついていくのに青息吐息になります。なんでこんなに重たいんだろうといろいろ考えてみると、どうもリアサスの動きに無駄が多いのが最大の原因のように思えてきました。
折り畳むとこんな状態になる。もう少しシートチューブが前傾すればよりコンパクトになるのだが 実際の輪行風景。オーストリッチのチビ輪バッグでヘッドチューブより下はすっぽりと収まる
 MR20のリアサスは折畳み機構の都合からか、シートチューブ下端がリアスイングアームで支えられている独特の構造になっています。そのためサスがストロークすればサドル位置が動く、逆に言えばサドルにかかる荷重が変化すればサスが動くわけです。実際に乗りながら観察してみると、ペダルを少しでも踏み込むとサスがグッと縮むのがはっきり分かります。比較的後ろ乗りポジションでペダルを前に蹴り出すようなポジションだとなおさらのようです。
 このサスの縮みも、伸びる時に駆動力として活きる形で解放されればいいのでしょうが、どうも下がったサドルを押し上げることに消費されてしまう感じにしか思えません。とにかくトルクをかければかけるほど進まない印象が強くなるのです。漕ぎ出し時や上りはほとんど苦行といっていいでしょう。
ほぼノーマル状態のMR20。ハンドル位置が異様に高く典型的なママチャリポジションになる
 平地でクルクルと回しながら巡航する分にはスイーッと軽々進んでいくのですが、そういう状況を作り出せるのはせいぜい20km/h+α程度まで。さらにペースを上げようとすると、やはりなかなか進みません。せっかく匿名R恵さんやKさんのお世話になって手に入れた自転車ですが、正直言ってここまで走りに軽快感が無いとかなり鬱になります。
 タイヤを替えれば少しは…という思いもないではありませんが、現状のタイヤだってべつにブロックタイヤというわけではなく、センター部はほとんどパターンの無いオンロード用。劇的な変化は期待できないでしょう。
 当初はレバーまわりをカンパのフラットバーロード用エルゴパワーにして、シフトメイトと組み合わせて9速化…などと考えていたのですが、とりあえずさらなる改造計画は凍結。そうこうしているうちに、ちょっと面白そうな小径車フレームが手に入ってしまい、結局MR20はノーマル状態に戻してオークションに出品となりました。期待が大きすぎたのかなぁ…。


フレームGIANT ALUXX 6061-T6 アルミニウムチュービング フォールディングシステム リプレーサブルリアエンド
フロントフォークGIANT モノブレードサスペンション 35mmストローク
ステムHL TDS-A72 15D(60mm) & FB-AL275N ルック エルゴステム
ハンドルARICLE YCA110DB3 540mm X-STAC-Y
レバーシマノ ST-R220 シマノ デオーレXT(ST-M739)
シフターシマノ ST-R220 8S ブレーキレバー一体(ST-M739)
ブレーキテクトロ TK800Aロングアーチ
ボトムブラケットトラバティヴBB-06-SQ(108-68mm)
クランクトラバティヴ TOURO(170mm 39/53T) シマノ デュラエース(FC-7410 170mm 52(TA)/40T(STRONGLIGHT))
フロントディレイラーシマノ FD-R440A シマノ デュラエース(RD-7700)
リアディレイラーシマノ RD-2200 シマノ デュラエース(RD-7700)
リアスプロケットシマノ CS-HG50(12-25T) シマノXTR(CS-M950/11-28T)
チェーンシマノ CN-HG50 コネックス808
ボトルケージミノウラ ジュラケージ
メーターキャットアイCC-CL100
リムALEX DA16 20x1.5 32H
タイヤCST C917 20x1.5 スリック リフレクターライン
サドルGIANT MTB-DXサドル ケブラーサイド セライタリアXOトランザム
シートポストKALLOY SP359 27.2X250mm アルミブラック シマノ SP-6600(27.2×270mm)
ペダルVP-113 折り畳み樹脂ペダル タイオガ シュアフット コンプ チタンシャフト
リアサスユニットDNM DV22 150mm 1500LBS
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