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Cannondale Scalpel (2010/02〜2011/03)


ヘッドショックでストローク不足ならこれしかないでしょうというレフティフォーク。しかも前オーナーが07モデルの超軽量版、レフティ・スピード・カーボンSLに交換してあった
ステムも前オーナーがレフティXC3 Siステムに交換済み。コラムパイプ一体構造なのでコラム側にクランプボルトが無い
シフターはアッパーカバーがカーボンのスラムX.O.。ハンドルはFSA製K-FORCEカーボン。ブレーキレバーもカーボン
ブレーキはマグラの上級油圧ディスクのマルタSLがつく。ガツンッと効く感じじゃないがコントロール性は秀逸
クランクとフロントディレイラーは97系XTR。シマノは排したかったが性能、重量でこれを上回るものがないのが実情
サドルはセライタリアのSLRトランザム。お尻と尿道に優しいだけでなく腰も引きやすいのでMTBでも使いやすい
リアサスのショックユニットはFOXフロートRP3。ペダリングによる無駄な動きを抑え込むプロペダル機構つき
ゼロピボットサスの要がこのCFRP製チェーンステー。中央部の薄い部分が撓ってリアホイールのトラベルを生む
スラムX.O.リアディレイラーは個人的な好みでミドルケイジ。ロングケイジと異なりアウターケイジがカーボン製となる
マグラのマルタSLは性能もさることながらキャリパー本体のアルミ地肌の仕上げがじつに美しい
ちなみにこれは購入直後にペダルのみ交換した状態。街乗り仕様でタイヤは1.50"幅のスペシャ・ニンバスを履いていた
特徴的なレフティのフロントビュー。スリムなのにゴツい独特の雰囲気を醸し出している

見えてきた体力の限界

 MTBはF700があれば、ほどほどに里山を走れてアクションライドごっこもできて、自分程度の使い方ならこれで充分、と思っていた。実際F700は10.4kg程度と結構軽く仕上がっているし、フレームサイズが小さめなので取り回しは自由が利きやすい。けっして悪くない選択だったと今でも思っている。
 しかし皮肉なことに、F700が楽しいが故に改めてMTBの面白さにハマり、乗る機会が増えてしまうと、逆に不満点も目立つようになってしまった。とくに木の根が張ったシングルトラックを速めのペースで走るパーティに同行したりすると、さすがに60mmストロークのDD60ヘッドショックでは力不足を感じることが多い。ダンパーにしても効いているのかいないのか分からない程度。ガレ場などは暴れるフロントを抑え込むのに結構苦労する。
 もちろん同じようなシーンをフルリジッドで走る人もいるくらいだから、これで泣き言を言うのは贅沢といえば贅沢なのだろう。だが最近は上半身の筋力の衰えも目立ってきている。正直なところ機材の助けを借りないと、楽しみたいところが苦痛になるというジレンマに陥ることも多くなってきてしまった。そんなわけで「当分はF700で楽しむ」という前言をあっという間に撤回して、今風の足を持ったMTBを組もうという気になった。

本音はチタンが欲しいけど…

 現状で新しいMTBを組むとなれば、目標スペックはそれなりに見えてくる。基本はXC系でいくつもりなので、フロントサスは100〜120mmストローク。またホイールの選択肢等を考慮すると、ブレーキはいよいよディスクブレーキを導入せざるを得ないだろう。もちろん総重量もあまり重くしたくはない。できればF700と同レベルに収めたいところだ。
 そうなるとやはり基本はハードテイル。そしてフロントフォークには最新型のSID、もしくは身のまわりで評判のいいFOXのF100あたりをインストールということになるだろうか。当たり前といえば当たり前の基本構成なので、個人的には面白みに欠ける。なのでフレームの素材はできればチタンにしたいところだ。
 そんな感じでいろいろリサーチしてみると、フレームはリンスキーのM230がすごく魅力的に見える。ライトスピード創業者が起こしたブランドのチタンフレームが、海外通販なら15万円しない値段で手に入るのだ。これが気にならないわけがない。後先考えずにポチってしまおうかと思う瞬間が何度もあった。
 ただちょっと気になったのが、SサイズとMサイズのジオメトリのギャップが大きい点。エフェクティブのトップチューブ長を見ると、Sが21インチ(≒533mm)に対してMは22.5インチ(≒572mm)。Sだと少々小さ過ぎる感のあったF700と同じサイズだし、MはMで自分には大き過ぎるはず。スケルトンオーダーも可能だが、そうなるとこの値段では手に入れるのは難しいだろう。
 金額面でもハードルは低くない。使えるパーツはF700から移植するにしても、ディスクブレーキで組もうとすればリムブレーキ専用のクロスマックスは使えない。よって必然的にホイールも新調となる。それなりのグレードの完組ホイールは安い海外通販で買っても7〜8万円は飛ぶ。
 それだけじゃない。フロントフォークにしたって値段はホイールと同程度を見込む必要があるだろう。ブレーキだってメカニカルを選択しても前後で3万円。小物も含めたら少なく見積もっても諭吉さんが40人ほど消えて無くなる計算だ。これは現在の財政事情を考えると結構痛い。

結局またもキャノンデール

 だったら少し視点を変えて見てはどうだろうと思った。たとえば高級MTBの完成車は今や平気で5〜60万円するが、程度のいい中古を探せばそれが半額以下で買えたりする。ということで例によってオークションでいろいろと検索。すると実走行が少ないキャノンデールの旧型スカルペルが何台か引っかかった。
 スカルペルといえばハードテイルではなくフルサスMTBだが、カーボン製のチェーンステイの一部を積極的に撓らせることでメインピボットを無くした軽量フルサスマシン。それなりの人が乗ればXCのワールドカップを取れるほどの、バリバリのピュアレーシングMTBだ。しかもスカルペルはほとんどのモデルがフロントフォークに片持ちサスのレフティを備える。このフツーじゃないフォルムと設計が自分的にはヒジョーにイイ!!
 オークションに出品されているスカルペルの中でもとくに目を引いたのが、カラーリングから推察すると05年の下位グレードの1000をベースとした1台。オーナーが軽量化に走ったらしく主要パーツのほとんどが交換済みで、しかも構成がスゴい。
 フロントフォークは07モデルのトップグレード、レフティ・スピード・カーボンSLが装着されていて、ステムもチームレプリカ用のコラム一体型のレフティXC3Si。さらにホイールはクロスマックスSLRレフティを履き、ブレーキはマグラ・マルタSL、RDはスラムX.O.、シフターはスラムX-9、FDとクランク、リアスプロケットは97系XTR、ハンドルバーはFSAのK-FORCEカーボンといった具合。これ以上手を入れる余地はほとんど無い状態だ。しかもフォークやホイールは交換後走行無しというのだから、これが30万円以下なら内容的にはかなりお徳感が高い。
 そんなわけで買ってしまいました。スカルペル。乗らずにいた期間が長いのがちょっと気になったものの、フロントフォークにしてもリアサスユニットにしてもブレーキにしても、軽い調整だけで問題なく動作しているようで一安心。他のパーツに関しては、RDは個人的な趣味から同じスラムX.O.でもF700に装着していたミドルケイジに交換し、シフターも同じくX.O.に換装した。またサドルはお尻に合わないフィジーク・ゴビからセライタリアSLRトランザムに、タイヤは街乗り用のスペシャライズド・ニンバスからマキシス・モノレールにつけかえ、ペダルはエッグビーターSLを装着している。
 サドルのポジション合わせとサスのサグ出しを済ませて軽く試乗してみると、いかにもオフロードで乗りやすく、しかも懐の深そうな走行フィール。フルサスといってもFOXのプロペダルつきリアサスユニット、フロートRP3を装着しているせいか、無駄にフワフワ動く感覚はほとんどないし、それでいながらサドルにお尻を乗せたままでギャップ通過しても突き上げは非常にソフトだ。フレームサイズもほぼドンピシャな感じだった。さあ、これでオフロードの行くのが楽しみだ。


FRAMECannondale scalpel(S)
FORKCannondale Lefty Speed Carbon SL(110mm)
SEAT POSTTomson Elite(27.2mmφ)
STEMCannondale Lefty XC3 Si
HANDLE BARFSA K-Force Carbon
BRAKEMagra Malta SL
SHIFTERSram X.0
CRANKShimano XTR FC-M970(170mm 44/32/22T)
FRONT DERAILLERURShimano XTR FD-M970
REAR DERAILLERURSram X.O.(Medium Cage)
SPROCKETSram PG-990(11-32T)
CHAINShimano CN-7700
WHEELMavic Cross Max SLR Lefty
TIREMaxxis Monorail RUST(26x2.10)
SADDLESelle Italia SLR Transam
PEDALcrankbrothers eggbeater SL(Short)
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