▲Top Page ▲愛車たち △戻る

Moulton TSR-9 (2014/7〜2014/12)


購入当初の姿。コンポはほぼアルテグラで組まれていて、ドロップバーはニットー、そしてお決まりのブルックスの革サドルも装着されていた
いわゆる“お城製”じゃない廉価版なので「ALEX」の名前は入らないが、まあまあ立派なヘッドバッヂがつく長ーいヘッドチューブ
これが自分好みのパーツで組んだ状態。あまりクラシカルな雰囲気にならないことを目標にしたが、だったらクランクはカーボンの方が良かったかなあ

いつかはモールトン?

GaapをMTB仕様にして王滝やONGR林道などのオフロードを走ってみたら、これが想像以上に気持ち良く走れた。そこでふと脳裏をよぎったのが「だったらGaapはオフロード専用車にしてロード仕様ミニベロは違う自転車にしたらいいんじゃね」という悪魔の囁き(笑)だった。でも通勤にも使うからそれなりによく走らないと嫌だし、手持ちパーツが利用しやすさも重要。そう考えると選択肢はそう多くはない。ならば一度は自分の自転車として乗ってみたいと思ってたモールトンなんてこの際どうよ…ってことでリサーチ開始してみた。
モールトンを買うならBSのやつなんかじゃなくやっぱりトラスフレームのやつがいい。なんたって見た目がいい。でも極端に高価なフレームは手軽に乗れないし、そもそも自分じゃ手が出ない。そこで候補に上がったのが、パシュレイ社で生産するTSRシリーズ。あまり良くは知らないが、MTB寄りにアレンジされたAPBと同じ会社が作るモデルらしい。いわゆるお城製のお高いモデルと違って、チェーンステーまわりがトラスじゃなかったり等いろいろと見劣りする部分はあるものの、身の程を考えると結構いいセンのような気がしてきた。
しばらくオークションを眺めていると、ミントという綺麗な色で程度のいい中古車が出展されていたので落札。晴れてモールトンオーナーの仲間入りすることとなった。
ところでモールトンというとどうしても典型的な英国風カスタマイズで乗りたくなる人が多いようだ。ダークグリーンなどの濃色が人気色なのもその表れなのだろう。このTSR-9の前オーナーも例外ではなかったのか、装着されているサドルは本革のブルックス。ただ自分としてはそういう方向にはあまり興味がない。ミントなどという明るい色を選んだのもステレオタイプを嫌ったからだ。
なのでついていたブルックスは同じく個人的には使う気がないシマノのコンポとともに速攻で取り外してオークションで処分。手持ちのカンパ中心のパーツで、ごくごくオーソドックスなロードレーサー風アセンブルで組み直した。

いざ乗ってみると…

早速近場を走り回ってみると、まずロングアーチのブレーキが効かないのに閉口した。Gaapのディスクブレーキのような強力な効きなど端から期待していなかったが、安物ロードレーサーと比較しても全然止まらない。これには参った。
原始的な構造のフロントのサスも正直期待外れ。変にフワフワした乗り心地だし、リバウンドすればカツンカツンとストッパーに当たって気になる。昨今のサスの良さを知っているだけに「モールトンのシルキーライドってこんなもの?」という残念な感触だった。
さすがに辛抱堪らなくなり、モールトンのカスタマイズでは昔から定評のある都内のショップKに持ち込むことにした。依頼したのはショートアーチブレーキを装着可能にする改造とフロントサスのスプリングやフリクションプレート、リバウンドストッパーの交換。結果、ブレーキの効きは劇的に改善されたし、フロントサスの動きもかなり良くなりなった。基本設計の古い自転車を現代のスポーツサイクルとしてちゃんと乗ろうと思ったら、この程度の改造は必須なのかも。さらにホイールもセミディープリムと軽量ハブをエアロスポークで組んだ金澤輪業のカスタムホイールに履き替えたおかげで、走行性能に関してはほぼ満足のいく快速小径車に仕上がった…と思う。

結局

初めて手にしたモールトンは、それなりの時間と費用を費やすことで、自分なりにそこそこ納得のいく内容になった。ところが通勤や短めのツーリングなどにしばらく使っていると、「何かが違う」という感覚がじわじわと出てきた。表現が難しいが、走っていてもどこか面白味が足りない気がするのだ。例えば同じテイストで組んだGaapと較べると、単純な速さなら多分モールトンの方が優れていると思う。そういう意味ではこのフレームの出来はさすがだ。
でも少なくともTSRではリアのラバーコーンサスに独特の共振点があって、ケイデンスと負荷のバランスをある程度自転車側に強要されるのが気に入らない。ペダリングがうまい人なら平気なのかもしれないが、自分にとってこれはちょっと不愉快だ。その他にも幾つか細かい点で、Gaapのようなどんなふうにも乗れるし、どんな風に乗っても楽しいという懐の深さが感じられなかった。ようするにせっかく小径車で遊んでいるのに、それを楽しみきれない不足感があったのだ。
てなわけで、せっかく買ったモールトンだったけれど、乗り続けたいという強い願望を持つことができず半年も乗らずにバラして売却。やっぱりオンロードの街乗りもGaapでいくことにした。
?チャンチャン♪



FRAMEMoulton TSR (Mint)
HEADSETCampagnolo Record 1" AHEAD
SEAT POSTcrankbrothers Cobalt3(31.6mmφ)
HANDLE STEMDeda Newton26(80mm)
HANDLE BARDeda 215 Anatomic(420)
BAR TAPEFi'zi:k
BRAKECamagnolo Chorus Type-D Skelton
BRAKE LEVER / SHIFTERCampagnolo Daytona Ergopower
CRANKCampagnolo '04 Chorus(52/39T)
BOTTOM BRACKETCampagnolo '04 Chorus
FRONT DERAILLEURCampagnolo '09 Chorus
REAR DERAILLEURCampagnolo '01 Record with Tacx jockey wheel
SPROCKETGIANG MARS EVOLUTION(10s/11-23T)
CHAINCampagnolo Record 10s
WHEELKANAZAWA Aero
TIRESCHWALBE DURANO(20x1.10)
SADDLESelle Italia Flite Transam
PEDALcrankbrothers eggbeater SL(short spindle)
inserted by FC2 system