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Brompton S2L-X (2018/12〜)


我が家にやって来たS2L-X。ウルトラライトモデルなのでフロントフォークとリアフレームはチタン製だが、ブラックエディションなので黒く塗装されていて目立たない。
納車直後から純正のコロコロ(右)に靴が引っ掛かるのが気になったので、アルミ製で薄くて大径のイージーホイールに(右)交換した
妙に品質感の低い右ペダルは三ヶ島に交換。ブラックエディションらしくするため、黒ボディのプロムナードにUBライトの黒ケージを移植した
日頃は使用法が簡単なギザプロダクツの輪行袋を使うが、忘れた時に備えて加茂屋のコンパクトなやつをフレーム内に収めておくことにした
店舗で買えばたったの399円といイケアのDIMPAバッグ。これもブロンプトンがすっぽり入り輪行に使えるので一応確保。車載の際に便利。
折り畳むとこのサイズになってしまうのがブロンプトンの大きな魅力。無駄な空間や出っ張りがほとんど無く、チェーンも内側に挟まれてしまうため、2つ折りフレームの折り畳み自転車に較べ圧倒的に持ち運びしやすい
標準の2速ではギアレンジが不足するのでebayで見つけたキットで3速化。標準の12-16Tに対し12-14-19Tとなり上りが楽になった
チェーンリングもS2Lの標準は54Tと大きいので50Tへと変更した。44Tも試したがさすがにトップギアが遅くなり過ぎて却下
中型のコインロッカーに入るという話を聞いたので早速試してみることに。最初は無理かと思ったが、シートクランプを緩めたままサドルが回転できるようにしておくとなんとか格納できた。ちと値は張るもののセキュリティ万全の駐輪場になる
その後…あれっ!? なんか増殖してますよ
そういえばスーパーライトモデルの場合、通常モデルにはついている携帯用空気入れのホルダーが省略されてしまっているので、3Dプリンターでこんなものを作ってみた
純正ポンプとそっくりな(というか同じゼファール製)ポンプが手元にあったので、カッティングシートで黒くして装着するとこんな感じ。プロトなので白いけれど、後に黒い樹脂で作り直している
嫁のS6L-Xにも同じものを取り付けて、こちらは純正ポンプを装着

いつかはブロンプトン

これまでにいろいろな小径車に乗ったり所有したりしてきたけれど、そのうえで感じるのはやはり、小径車に期待する大きな部分が仕舞寸法であるということ。タイヤが小さい分どうしても走行性能が犠牲になるのならば、その代わりのメリットとしては、ロードレーサーやMTBに較べて置き場所を取らなかったり、車載や輪行が楽であることを期待してしまう。

もちろん仕舞寸法や可搬性最重視であれば、超小径車のCarryMeに勝るものはないと思う。一時期所有してみて、あれは本当に良く出来た道具だと感じた。でも、あくまでも自転車という括りで見てしまうと、走行性能やメインテナンス性とのバランスも、けっして無視することができないとCarryMeは教えてくれた。となると次の道具として真っ先に思いつく自転車は、やっぱりブロンプトンだ。

無骨なスチール製フレームに前後マッドガードまで備え(備えてないモデルもあるけれど)、軽量とは縁遠い10kg超の重量、最近の多段化路線とは程遠いドライブトレイン、アップライトな乗車姿勢等々は、純粋にスポーツサイクルとして見たら魅力的なスペックとは言い難いかもしれない。でもいろいろな自転車を乗った後に、市街地で使う自転車としてよくよく見てみると、使い勝手をとことん突き詰めたブロンプトンの各部の設計は、本当に溜息が出るほど考え抜かれている。

何と言っても一番感心するのは、折りたたんだ状態での寸法が、実用的な自転車としてはもうこれ以上は無理だろうと思える程に小さくなること。また小さくなるだけじゃない。折りたたんだ時に無駄な凹凸が少ない形状にまとまるため、重量があるわりには持ち運びがしやすい。そして自転車を持ち運ぶ際にネックとなることが多い、油汚れの避けられないチェーンがタイヤで挟まれて外側に露出しないようになっているのも、単純な2つ折りフレームの折り畳み自転車には無い大きな長所となっている。バッグ等のアクセサリーを装着するフロントのキャリアブロックも然りだ。

そんなブロンプトンの出来の良さが解ってくると、「もし実用的な折り畳み自転車を手元に1台置くとしたらこれしかない」、「今持ってなければいつかは買いたい」と思うようになってくる。そして自分の場合は、輪行用自転車としては究極といっていいCarryMeを手放してしまったので、いよいよブロンプトンに手を出すタイミングとなった気がした。まあ、物欲のための言い訳かな(笑)。

購入計画で悩む

ブロンプトンは上級ロードレーサーやMTBとは違いあくまでも実用車なのだけれど、それでもお値段は結構な額になる。最低価格でも20万円弱、上を見ると30万円をオーバーする。もっとも自転車を、それも特別な工夫を盛り込んだやつをちゃんと作ったら、本来はこのくらいの値段になるのは当然の話。諭吉さん一人でお釣りが来るのが当たり前のような激安ママチャリ文化が、一般の人のそのへんの感覚をねじ曲げてしまってるんでしょうねー。もちろんママチャリはママチャリで有りなんだろうとは思うけど。

それはともかく、こちらの財布事情もけっして豊かなわけじゃない。できることなら出費はなるべく抑えたい。なので当初は、ある程度乗り込まれて価格のこなれた中古車を探し、のんびりとレストアしながら仕上げていく…といった計画を立てていた。

ところがブロンプトンの中古車は思いのほか弾数が少なく、オークションに出品されても程度が良ければ普通に10万円オーバー。現実的には15万以下のものは滅多にお目に掛かれないのが現実だった。だったら新車でいいじゃん。

結局そこかよ…(笑)

モデル選びで悩む

ブロンプトンは基本は1モデルなのだが、装着パーツによってバリエーションがいくつかある。まずハンドルは3種類。最もブロンプトンらしいと形容されることが多いライザーバーのMハンドル、ややスポーティなフラットバーのSハンドル、マルチポジションバーのPハンドルというのがその3つ。形状的にはMハンドルがいろいろな意味で魅力的だが、実際に試乗してみると自分程度の身長(170cm)というかサドル高(脚の長さとも言う)だと、Mハンドルではライディングポジションがややアップライト過ぎる感じがした。見た目はちょっと味気無いが、Sハンドルの方がポジション的にはしっくりくるので、ハンドルはSで決まりとなった。

次に変速システム。現在のブロンプトンはリアの3段内装変速機と2段外装変速機のどちらか、あるいは両方を装着する(シングルスピードもあるらしい)。機械抵抗が小さくかつ軽量なのが外装のみの2速のモデルだが、きつめの登りも乗車で行きたければ外装2段に加え内装3段も組み合わせた合計6速のモデルがワイドレンジで都合がいい。自分の場合は走る場所が街中主体となるので、2速でいいかなということになった。後で後悔するのだけれど。

またブロンプトンにはスーパーライトモデルという、フロントフォークとリア三角の材質をチタンとし、ホイールも軽量なものを履かせたものが用意されている。ハンドルや駆動系が同じ標準モデルとの重量差は800g程度で、価格は10万円ほど高くなるし、何故か標準モデルではリア三角に装備される空気入れがつかなかったりと、正直“割り”の合う内容とは言い難い気もする。

まあ、そんな知識の下準備をした上で小径車では名の知れた某Wサイクルへ行って話を聞いてみると、輸入車ということでカタログにあるモデルがすぐに手に入るわけではなく、販売店や代理店に在庫のあるもの以外は、入荷までに結構時間がかかる可能性があるそう。そのへんは想定内。で、在庫があるものの中でSハンドルで外装2速でと探してもらうと、時期的な問題もあるのか思った以上に選択肢が少なかった。

1番の売れ筋はやはりブロンプトンらしさと走る場所を選ばないMハンドルの6速仕様、M6L(キャリア無し)かM6R(キャリア付き)だそうで、Sハンドルで2速のS2LやS2Rは少数派のようだ。そのため色まで好みに合うものを探そうとするとなかなか難しい。

そんなこんなで悩んでいると、「こんなのもありますけど」と提案してくれたのが、代理店に在庫があるというS2L-Xブラックエディションで色はブラックラッカー。「-X」がつくのは前後がチタンのスーパーライトモデルで、しかもブラックエディションというのは、ホイールやクランクといったパーツに加え、せっかくチタンにした部分まで黒く塗って分からなくしまった訳分からん仕様。諭吉さん30人が吹っ飛んだ上でそれですかい。ただブラックラッカーという色は別車で実物を見てみるとツヤツヤでじつにキレイ。ん〜、これは悩む。

結局、ブロンプトンなら長く乗れるだろうから均せばそんなに高くもないのか、という謎の理論が働き購入決定。なんか当初の目論見とは随分ずれてしまったような気が…。

ギア比で悩む

待つこと1週間ほどで無事納車されたブロンプトンS2L-Xブラックエディション・ブラックラッカーは、街中での使い勝手にしても折り畳み性能にしても、予想どおりにほぼ満足。30kmフル自走通勤にちょっと疲れた時は、20kmを電車で移動し残り10kmをブロンプトンで自走なんてことも気楽に出来(CarryMeだと自走は残り5kmが平和にこなせるいい線だった)、便利この上ないといったところ。結果として大枚叩いてしまったが、満足度は充分に高かった。

ただ、軽い方でも54x16Tのギアレシオは、ちょっと長い上りだとやっぱり苦しい。試しにチェーンリングを50Tにしてみたが、それでもまだ苦しい。そこで44Tにしてみると上りは大分楽になるけれど、今度はスピードに乗った時にギアが足りない。

そこでこれも前々からネットで情報は得ていた外装3速化というのに手を出してみることにした。ebayで探すと、2速のフリーに装着可能な3速のスプロケットとシフターをセットにしたものが売られているので、ポチッとゲット。実際の装着にはちょっとだけ良い子は真似しちゃいけないようなこともしなければならないけれど、比較的簡単に標準の12-16Tの2速から12-14-19Tの3速へと変更することができた。チェーンリングは大人の判断で無理せず50T。

結果はというと、自分の使用環境であれば大抵の上りは乗車でいけるし、車道の巡航も不満はないレベル。6速ほどのワイドレンジは望むべくもないとはいえ、軽さとメカのシンプルさが引き換えに得られているのだから、自分にとっては正解だったと思う。というか思いたい。



BIKEBrompton S2L-X
COLORBlack Lacquer(Black Edition)
HINGE CLAMP BOLTSTitanium
HINGE CLAMPKamoya
SHIFTERStarmay Archer
CHAIN RINGS54T -> 50T
BOTTOM BRACKETTANGE LN7922(118mm)
SPROCKETS12-16(2 Speed) -> 12-14-19(3 Speed)
CHAINShimano 11s
RIGHT PEDALMikashima PROMENADE + UB-LITE Cage
ROLLERSAceoffix Easywheel black
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