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ロードレーサーのフラットバー化 (2005/12)

フラットバー化したKG171。フラットバーロードは街乗り用として最近人気があるらしいが、やっぱりロードレーサーのフォルムとは別物といった印象
 去年、ひょんなことから“東京エンデューロ”というクリスマス・イブに行なわれるレースに、友人達と遊び感覚で参加することになりました。これは立川の昭和記念公園内の周回コースをグルグル回る2時間or4時間の耐久レースで、ちょっと変わっているのが「自転車はフラットバーじゃなきゃダメ」という車輛レギュレーションがあること。これは「レジャー感覚で素人が楽しむレースだからマジな人は来ないでね」という大会の趣旨を反映したものなのでしょう。そのためのドロップハンドルが御法度なのはもちろん、ブルホーンハンドルも禁止。フラットバー+エンドバーは認められていますが、エンドバーを持った状態でブレーキや変速機を操作できるような補助レバーを使うことはできません。
 初参加だった去年、私はMTBに舗装路用タイヤを装着するだけで走りました。しかし私のMTBはオンロードでのペダリング効率がお世辞にもいいとは言えないフルサスで、しかも古いフレームに9速のメカを装着しているため、チェーンとフレームの干渉からアウタートップが使えません。はっきり言って動くシケイン状態です。
 そこで今年は、せめて人様の迷惑にならない程度に…というか正直なところを言うともう少し楽をしたいので、通勤や街乗りに使ってるロードレーサーのKG171を一時的にフラットバー化して参加することにしました。多少大人気ない感じもしますが、べつに上位を狙うとかじゃなくて、あくまでも自分が楽をしたいだけ、という言い訳で勘弁してくださいな。
エルゴステムを伸ばして突出し量を約140mmに。26mmφのクランプに25.4mmφのフラットバーを固定するためアルミ缶から切り出したシムを2枚入れている エンドバーは匿名R恵さんが昔買って来たパナソニック製。少々重いがダンシング時も持ちやすい形状とグリップ感で、回り/抜け防止の安全対策もバッチリ
 まずはハンドルバーの交換ですが、ドロップバーの自転車にそのままフラットバーを装着すると、ポジションが非常に近くなり乗りにくいのが困りモノです。ただ幸いなことに私のKG171には角度も突出し量も可変のエルゴステムがついています。これを思いきり伸ばすと突出し量は140mmほど。そこにMTBのポジション出し用に使った安いアルミ製フラットバーを装着すると、まあ、多少窮屈ながらも、なんとか乗れる程度のハンドル位置を作り出せました。バー幅は使っているドロップハンドルの外-外寸法に合わせて420mmにしたいところでしたが、レバーやシフターの装着を考えると少々無理があり、結局440mmにカットしています。
 ハンドル両端には、昔、匿名R恵さんがどこかのワゴンセールでゲットしてきたパナソニック製のエンドバーを装着。これの具合がなかなかグッドでした。形状といい、ゴム巻きグリップの握り心地といい、すごく良く手に馴染みます。またさすが大メーカー製の製品らしく、万一締めつけが緩んでも即座に脱落しないためのネジがバーに刺さるようになっています。位置を決めたらバーに5mmの穴を開けて固定しておきます。これで安心して体重をかけることができそうです。
 ブレーキはレバー比が違うので操作性がちょっと悪くなるのを承知の上で、手持ちのVブレーキ用レバーを組み合わせます。シューがリムに当たるまでの操作力が重く、またブレーキが利き始めてからのコントロールがややシビアになりますが、ちょっと慣れればそう不便は感じません。
シフターはネットオークションで買ったデオーレ、ブレーキレバーは手持ちのXTR。バー幅は440mmにカット フロントの変速はダブルレバーの左側だけを使用。これもネットオークションで手に入れたもの
 フラットバー化した時の最大の問題は、変速をどうするか。私のロードレーサーは2台ともカンパ10速なので、真っ当なやり方としては「カンパのフラットバー用エルゴパワーを装着」ということになるのでしょう。しかし年1回のお遊びイベントのために数万円の出費をするのはあまりにも無駄です。そこでリアはシマノのMTB用9速シフターを使い、10速のうちトップ側9速を使うことにしました。
 生憎9速シフターの手持ちがなかったので、ネットオークションでデオーレの中古を購入。1,000円ちょいの出費です。ただしシマノ9速シフターをただ装着しただけではカンパ10速とは変速ピッチが合いません。そこでシフトメイトという、ワイヤー送りピッチを変換するアダプターを通販で購入して装着しました。今回は匿名R恵さんも同じようロードレーサーをフラットバー化して参加するため、シフトメイトは2個まとめて買ったのですが、値段は本体$70+送料$7でした。
 フロントの変速は、どうせレース中はアウターに入れっぱなしだろうということで、当初はフロントディレイラーをアウター側に固定し、ワイヤーは張らずに済まそうと思っていました。ただ自走での往復や、事前の慣熟走行の時のことを考えると変速できた方がいいのかなと思い、これまたネットオークションでダブルレバーを購入。ヒルクライム用スペシャルマシンのように、左側だけダウンチューブのレバー操作で変速するようにしました。
 フラットバーのポジションや各部操作性に慣れるため、この状態で通勤等に使ってみましたが、予想したよりは乗りにくくないかなという感じでした。ただ極端に短くしたアルミ製フラットバーは振動を減衰する効果がかなり落ちるようで、長時間乗ると肘が痛くなります。とはいえレースは2時間なので、なんとかなるでしょう。もちろん、終わったらすぐにドロップに戻します。
どこかで見たことのあるマークの厚紙封筒で送られて来たシフトメイト。最近は日本にも代理店ができたので国内通販で買った方が安いかも シフトメイトには変換比の違いによって#1〜#4までのバリエーションがある。今回はシマノ9速シフターでカンパ10速を動かすため#2を使った 中身はこれだけ。黒い樹脂パーツはリアディレイラーのワイヤー入口に、アウターケーブル代わりに挿す
この角度からだと径の異なるプーリーが並んでいるのが良く分かる。プーリーを裏返しに組むと逆比率変換も可 1ヶ所設けられた切り欠き部分でワイヤーがプーリーを乗り換える 副次的な効果として、アヴィドのローラーマジッグのようにワイヤーの取り回しがすっきりするのもシフトメイトのメリット

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