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KUWAHARA Gaap (2007/1-2009/9)


小径車も趣味の奥深い?世界へ

 ジャイアントMR20が自分の期待していた乗り味ではなかった失望は結構大きなものでした。もちろん小径車に過度の要求をするつもりはなく、いわゆるチョイ乗りの足として考えればMR20だって非常にいい自転車だとは思います。
 しかし価格がダホン・スピードP8の2倍となると、走りにも多少の期待を持ってしまうのが人情というもの。また、ある程度自転車に乗っている期間が長くなると、「ちょっと」の距離感が一般的なそれとは違ってしまうため、どうしても納得のいく満足感が得られませんでした。
 そんな折り、なるしまのクラブ仲間のY田部さんがクワハラ・ガープのフレームがオークションに売りに出ているという情報をもたらしてくれました。じつは彼も少し前にガープを購入し、TTマシン的なカスタマイズを施して乗っています。
 ガープはゴブリン、グリフォンに続くクワハラの小径スポーツ車の3世代目モデル。基本コンセプトはあくまでも町乗りですが、組み合わせるパーツ次第で舗装路メインからダウンヒルまで対応するという、非常に練られた設計が特徴となっています。また見栄えのするオシャレなスタイリングのため、値段を除けば一般人受けもかなりいい自転車です。
中古で買い込んできたフレーム。この時点ではフロントフォークまわりの構想が固まっていなかったため、多少のアップチャージでつけてくれるというノーマルフォークもとりあえずキープした
 当然、私も以前から多少興味を持って見てはいました。しかし販売されているのはあまり魅力の無いパーツアセンブルの完成車のみ。それでいながら廉価モデルでも価格は20万円弱なので、実際に買う気が起こる設定とは言い難いものでした。
 ところが今回オークションに出品されたのは単品フレーム。程度が良さそうなので最終的にはかなり高い値段に達するのが予想されますが、それでもソノ気にさせるブツであることは間違いありません。
 結局、多少の攻防の末にほぼ予想した範囲の金額で落札。完成車の値段と単純比較すると割高なのは承知の上ですが、使う気にならない不要パーツにお金を払うよりはいいだろうということで良しとしました。
 ただこの時点ではフロントフォークに関しての構想が完全に固まっていません。なので安価で追加してくれるというノーマルフォークは一応キープしておくことにしました。
 出品地が埼玉だったので直接引き取りに行ってみると、フレーム自体の程度は非常に良好です。1ヶ所だけ塗装表面に言われなければ分からない程度の僅かな擦り痕がある他は、ほぼ新品同様といっていいコンディションです。色から判断すると5thロットのストリートでしょう。1年半ほど前にリリースされたモデルのはずです。

コンセプトは“快速”

 私は今まで、自転車のフレームを買ったら大抵は1週間以内に組み上げていて、パーツ調達の都合で遅くなったとしても、2週間以上フレームがそのままになっていることはありませんでした。しかしこのガープに関しては構想半ばで見切り発車的にフレームを落札したため、ここからが想像力の発揮しどころ。気長に構え、組み上げる過程をたっぷりと楽しむことにします。
 まず基本コンセプトですが、MR20では叶わなかった「街乗り“快速”車」を第一に考えることにしました。ダホンはあくまでもママチャリ代わりに気楽に使えることを前提にしていたし、MR20もそのへんを大きく外す気はありませんでしたが、ガープは価格からして同じ方針とするには無理があります、というかできません(笑)。だったら軽快に走れる方に重きを置き、100km/day程度は乗る気になるように組み上げたいところです。
これはY田部さんのTTマシン風ガープ。カーボン製のTTハンドルやエアロシートポスト、ディープリムホイール、リジッドフォーク等の装着に加えて、カラーアルマイトを駆使したカラーリングの統一まで行なわれていて、めちゃくちゃカッコイイ
 そう考えると必然的にパーツはロードレーサー寄りの構成となります。そしてロードレーサー風味となれば、どうしても譲れないのがドロップハンドル。これに馴れてしまうと、どうしてもフラットバーで長時間ライドする気にはなれません。
 幸い手持ちパーツにケンタウルのエルゴパワーがあるし、ワイヤー引き量変換プーリーのシフトメイト#2も持ってます。これで手持ちのシマノ9速駆動系とシンクロさせることも可能。変速機まわりの追加投資はしなくて済みそうです。
 また私の場合は手軽に輪行することも小径車を使う目的のひとつなので、「ディスクブレーキは使わない」というのが譲れない点でした。となるとリアフレームにVブレーキ台座がないガープではサイドプルブレーキ以外の選択肢はありません。しかしこれには2つばかり問題がありました。
 まずひとつはリアブレーキ台座位置の関係から、サイドプルブレーキを使うのであれば、ホイールは20インチHEではなく20インチWOで組まなければならないこと。WOはタイヤの選択肢が少なくなるうえに、手持ちの32HのXTRハブでホイールを組もうとした場合に合うリムが入手可能かどうかが分かりません。ただこのへんは小径車を得意とする和田サイクルあたり頼めば光明は見えるでしょう。
 そしてもうひとつが実は大問題。フロントフォークはMTBで使っているAMP F3を使いまわそうとしたのですが、その場合、Vブレーキ台座を利用してサイドプルブレーキを装着するアダプタが必要になります。
 じつはガープのオンロードモデル「ウィンド」の1stロットと2ndロットは、まさにそのようにしてVブレーキ台座にアダプタを介してサイドプルブレーキを装着していました。なのでその純正パーツが入手できればことは簡単なのですが、メーカー等に問い合わせても既に在庫はなく、今後もパーツ販売の予定はなしとのこと。またひと口にVブレーキ台座といっても、実は左右の間隔にキッチリとした規格があるわけではないので、ウィンドのアダプタがAMPのフォークで使える保証はどこにもありません。となるとアルミのブロックから削り出して作る以外には手がなさそうです。
 いずれにしてもリアの台座位置はすでに決まっているのだから、ホイールはWOで組むしかありません。そしてホイールが出来上がらないことにはフロントブレーキ対策も手が出せないので、とりあえずXTRハブを持ち込んで和田サイクルでホイールを組んでもらうことにしました。
 さて残る課題はフロントブレーキ。結局アダプターを自前で用意する以外選択肢は無いのですが、幸運なことに自転車乗り仲間に機械加工屋さん(?)のYさんがいます。で、ちょっと打診してみると、どうやら引き受けてもらえそうな雰囲気。やっぱり自転車のことが分かっている人に頼めるのは心強いものです。早速依頼してアダプターを作ってもらうことにしました

暫定的にライト用ノーマルフォークで組み上げる

本命フォーク&ブレーキで組めるまではしばらく時間がかかりそうなので、ライト用ノーマルフォーク+ディスクブレーキキャリパーを装着してとりあえず走行可能に。このフォークもアルミ地肌の質感がなかなかGood!
 ということで現在はアダプターの完成待ちですが、問題はYさんがかなり忙しいこと。そのためアダプター制作も納期は指定しないという約束で依頼したのですが、このままではいつ乗れるようになるかわかりません。まあ、気長に構えてはいるのものの、自転車の形になっていないと保管も結構面倒です。
 そんな時、別件でY田部さんの家にお邪魔したところ、自転車関係のお宝箱の中にガープ・ライトのノーマルフォークを発見。しかも不要パーツだというではありませんか。
 ノーマルフォークだとディスクブレーキ必須となるのですが、本命フォークが使えるようになるまでのつなぎと考えれば仕方ないところ。それにそのフォークはキャリパーも付いた状態です。ちょっとだけ考えた後、お願いして譲ってもらうことにしました。
 私がガープ用に組んだホイールのハブは、幸か不幸かディスクブレーキ対応モデルです。つまりキャリパー付きのフォークが手に入れば、あとはディスクローターを用意するだけでとりあえず走行可能な状態にすることができるというわけです。
 もちろんディスクブレーキを許容するなら、フレームと一緒に買ってきたストリート用ノーマルフォークだって使えたのですが、さすがにMTB用テレスコピックフォークを装着するのは重量面でかなり抵抗がありますし、わざわざディスクブレーキのキャリパーを買う気にもなりません。このライト用フォークあってこその妥協です。
 そんなわけでストリートのフレームにライトのフォーク、リアはサイドプルブレーキなのにフロントはディスクという、少々中途半端な内容ながらも完成させたのが写真の姿。ロード用ブレーキレバーでMTB用メカニカル・ディスクブレーキを引いているので、ブレーキタッチが今一歩だったりしますが、乗り味は想像したとおり悪くありません。フルサスのわりにカチッとしたしっかり感がある一方で、乗り心地は小径車とは思えないほど優しい感じ。1-1/8インチ幅の451タイヤは走行抵抗が小さくて、これならそこそこの長距離も走れそうです。
 最終的にはフォークを交換し、ブレーキも前後ともロード用ショートリーチにする構想ではいますが、まずはこの状態でしばらく乗り回してやろうと思ってます。

ガープはもともとがMTB的なジオメトリで設計されているためBBハイトはロードレーサーに較べると明らかに高く、ポジションをロードレーサーと同じにセッティングしてもハンドル位置はかなり高めになる 逆スローピングのトップチューブやガープロケットまわりの特徴的な造形のおかげで、ガープが最もガープらしく見えるアングルがこのリアビュー。ホイールは20インチでもやや大径の451サイズを履かせる フロントブレーキのキャリパーはガープ・ライトに標準装着されるヘイズのメカニカルディスクMX2。ハブに96系XTRを使っているのでディスクローターはシマノのセンターロック方式のものを装着している 本命フロントフォークのAMP・F3はすでにコラムカットされているため、極端なハンドル落差を出さないようルックのエルゴステムでハンドル位置を調整している。重く高価なステムだがポジション出しには便利
ハンドルバーは2台のロードレーサーでも使っているデダ215アナトミック。ブレーキレバー/シフターはやはり手に馴染んでいるカンパニョーロのエルゴパワーで、これは手元にあったケンタウルをそのまま使用 2世代前のデュラエースのクランクFC7410に組み合わせているのはTAの52Tとストロングライトの40T。街乗り主体であることを考慮してペダルはタイムのMTB用ペダル、アタック・カーボン・チタン リアブレーキはサイドプルだが、ブレーキ台座の位置の関係でロングアーチが必須となる。いずれはここにもアダプタを制作してショートリーチのサイドプルブレーキを装着しようと企んでいる リアショックはX-FUSIONのエアサスユニットO2-RPV。購入時点ではシールが固着していたのかかなり動きが渋かったが、オイルを吹いて一晩置いたら大分動くようになった。いずれは交換が必要かも
リアディレイラーはダホン時代から使い回している77デュラ。シフターがカンパ10速なのでシフトメイト#2を組み合わせてインデックスを合わせている。スプロケットはディレイラーと同じく77デュラの12-25Tを新調した サドルはフィジークのアリオネ。ガープのアルミっぽさに合わせるためカラーはグレー/シルバーにした。細身で足の動きを妨げず乗り心地もいいが、フライト系に慣れていると後ろの反り返りが無いのがやや物足りない ハブは96系のXTRで組んでいる。センターロック式ディスク対応ハブなので、いざとなったら簡単にディスクブレーキ化できるのがメリット。ガープのようなモデルに使うには何かと便利なハブだ

カンパ度アップ (07/06/24)

 自分の分や匿名R恵さんのロードレーサーを整理/再構築した際にいろいろと余剰パーツが発生したこともあり、このガープもカンパ度を上げることにしました。まずクランクは匿名R恵さんがエアロライトで使っていたデイトナに組み替え、BBもカンパAC-Hへ変更。エルゴパワーはすでにカンパを使っていましたが、自分がビアンキ・ボロンから使っている10速化済みコーラスが余ったのでそちらに交換することに。また前後ディレイラーは10速コーラスへと変更しました。それに伴ってシフトメイトもプーリーを#2から#1へ変更です。
 フレームのエンド幅が135mmなので、さすがにホイール(ハブ)をカンパ化するのは難しいのですが、シマノのハブボディで使うカンパピッチの10速スプロケットがアメクラから発売されているとの噂を聞いているので、ちょっと興味津々。でもつい最近購入して試した知人曰く『重くて変速性能が悪い』とのことだから、このへんは手を出さないのが正解なんでしょうかねぇ。

フロントブレーキ用アダプタ完成!! (07/09/02)

 依頼から待つこと10ヶ月。ついにブレーキアダプター完成の知らせが来ました。期間については最初からYさんが忙しいのを承知で発注したわけだし、8月にマシニングセンター導入が決まったということも聞いていたので、まあ覚悟のうえのこと。その分、いいものが出来上がればいいなと思ってました。
 で、預けておいたフォークとともに届いたブツを箱から取り出してみると…、おー、すげーカッコいい!! 基本フォルムは素案第2弾のままだけど、ブレーキ装着面がキレイに丸く盛り上げられていてさらに贅肉が削ぎ落とされた感じ。さらに前後両面から肉抜きの彫り込みが入っていたりして、レーシングカー用スペシャルパーツのような外観です。もちろん角はきっちりと面取りされ、ワンオフのパーツにありがちな『とりあえず作ってみました』的な粗さもまったくなし。まるで市販品を買ってきたかのような完成度の高さです。

ついに完成したフロントブレーキ用アダプタ。寸法がフロントフォークに依存するため汎用品として使うことはできないが、さすがマシニングセンターを使ってプロが作っただけあって出来映えはまさに商品レベル。前後両面から肉抜き加工を施してあり重量は100gを切っている。これでも強度的にはかなり余裕があるとのこと


 早速フォークを交換してそこにアダプタを装着してみると、これがまたちょっと感動モノでした。ガタがほぼ皆無なのに角度を合わせて押し込むとスコッと抵抗無く奥までキッチリ嵌り込み、精密機械を組み立てているかのような合わせの良さ。わざわざフォークを送って現物合わせしてもらった甲斐がありました。
 やや心配だったブレーキシュー位置やタイヤとのクリアランスも、ほぼ最初に想定したとおり。ノギス測定と簡単な計算だけで寸法を算出したわりに、想像以上にうまくいった感じです。この手のパーツの基本設計にちょっとだけ自信がついたかも。

やっぱりAMP F3フォークは良い

アダプタをAMP F3フォークに装着し、コーラスのブレーキを取りつけた状態がこれ。もともとアルミ削り出しのブレーキ台座がつくAMPのフォークなので、まるで純正品のような見栄えになっている。このくらいメカっぽいデザインだと、Dスケルトンブレーキも似合いそう
 ワイヤーを張り直して装着完了したら、早速試乗です。シューとリムの当たりが出ていないこともあって、700Cのロードレーサーに較べると若干ブレーキのタッチが甘いような気もしますが、それでも絶対的な制動力は不満の無いレベル。下り坂で徐々にレバーを握り込んでいくと、握った分だけギューッっと速度が殺されていく感じ。カンパのブレーキフィールの良さが充分に引き出されています。これでシューの当たりが出れば、もっと効きの良さが感じられることでしょう。晴れて“間に合わせディスクブレーキ”のカックンフィールから解放されました。
 また劇的だったのがフォーク交換による走りの変化です。ライト用ノーマルフォークは『軽いだけが取り柄』と誰かが評していましたが、たしかに必要以上にブワブワと動いて走りに落ち着きが感じられないし、ダンシングなんかしようものならどこに走っていくか分からないような状態(ちょっとオーバーですが)でした。それがAMP F3フォークにした途端、カチッとした芯の通った乗り味に大変身。手放しもごく普通にできるようになりました。まあ、値段が随分違うんだから仕方ないですけどね。
 それにしてもフロントフォークって本当に重要だなと再認識です。


FRAMEKUWAHARA Gaap Street (5th lot/Brown)
FORKTOP GUN LINK-4 AMP F3 Carbon
HEADSETCHRIS KING 1-1/8"(Silver)
STEMLOOK Ergostem
HANDLE BARDEDA 215 anatomic(420mm)
LEVER/SHIFTERCampagnolo Centaur Ergopower Controls Campagnolo Chorus Ergopower Controls(06)
FRONT BRAKEHAYES MX2 / SHIMANO SM-RT62 Campagnolo Chorus(99)
REAR BRAKESHIMANO BR-R600 Campagnolo Chorus(99)
BOTTOM BRACKETSHIMANO BB-UN52(110mm) Campagnolo AC-H Campagnolo Record
CRANKSHIMANO Dula-Ace(FC-7410 170mm 52(TA)/40T(STRONGLIGHT)) w/ fix bolt Campagnolo Daytona(170mm 52/39T) Campagnolo Chorus(03 170mm 52/39T)
FRONT DERAILLEURSHIMANO Dula-Ace(FD-7700) Campagnolo Chorus(03)
REAR DERAILLEURSHIMANO Dula-Ace(RD-7700) Campagnolo Chorus(06)
SPROCKETSHIMANO Dura-Ace(CS-7700/12-25T)
CHAINSHIMANO CN-7701
SHIFT ADJUSTERShiftMate Model #2 ShiftMate Model #1
BOTTLE CAGEMINOURA Duracage OGK RC-8
CYCLE COMPUTERCATEYE CC-CL100 CATEYE CC-RD300W
FRONT WHEELALEXRIMS DA22(20x1-1/8 32H) / SHIMANO XTR(HB-M965)
REAR WHEELALEXRIMS DA22(20x1-1/8 32H) / SHIMANO XTR(FH-M965)
TIRESCHWALBE STELVIO(20x1-1/8)
TUBESCHWALBE(20x1-1/8)
SADDLEFi'zi:k ARIONE(gray/silver) Selle Italia SLC Carbonio Selle Italia SLR Transam
SEAT POSTTOMSON Elite(27.2mm)
PEDALTIME ATAC Carbon/Ti crankbrothers eggbeater 4ti
CABLESCampagnolo
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