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Production Privee Shan (2022/2〜)


家に届いたShanは、このまま乗っても普通なら何〜んにも不満は無いパーツ構成。でもシマノ嫌いの捻くれ者としてはそういうわけにもいかず(笑)、一旦は完バラすることに
フレーム単体になったShan。中古とはいえ塗装の状態も非常に良くて、ゴルディニブルーっぽい明るい青とスペインの国旗にも使われる黄色での塗り分けが南ヨーロッパの雰囲気
クランクを外してみたらBBがゴリってることが判明。まあ、中古だとこういうこともあるよね。交換必須
それでもROTORクランクでとりあえず走行可能にしようと思ったら、歯先がチェーンステーにギリギリっすよ
BBを専用工具で抜いてみたらベアリング裏側に引っ叩いた痕が多数。抜こうとして抜けなかったのか、一度抜いたものを再使用したのか…
樹脂のカバーが欠けてたり裏蓋がひん曲がってたりで、ゴリ感の原因は油切れじゃなくてこっちみたい。これがショップの仕事だったら問題だな
そうこうしてるうちにドイツからe*thirteen専用BB着弾。こうして較べるとやっぱり30mmスピンドルは太い
圧入部のスタックも違えばフランジの厚さも違うので、専用BBじゃないと使えないっぽい。圧入式は面倒だね
ちなみにBBについてたマニュアルにはダイレクトマウントチェーンリングのクランクへの装着法も記載されてるけれど、135mmエンドなんて相手にされてませんよ
あと想定外だったのが付属してきたドロッパーポスト。個人的には好みの非リモートタイプなので、多少重いながらも使うつもり満々でいたのだけれど、見ていて何か違和感が…
あれ? このヤグラ、シートの角度変えられないんですけど… マジっすか?!
ここはコバルト3にしときますかね。なんかドロッパーは縁が薄いなあ
そしてさらにMTB仕様Gaapで使っていたパーツをいろいろと移植して組み上がったのがこの状態。ホイールのハブがシマノXTなんだけど、これはそのうち資金ができたら何とかしましょ。
初期Shanの特徴のひとつが型抜きされたヘッドマーク。水が入るから後に廃止されたとか。そりゃそーだ
フロントフォークは140mmトラベルのX-fusion SLANT RL2。26→27.5化してるのでこんなもん?
最近のブレーキは1フィンガーのレバーが流行りみたいだけれど、このMT6のレバーは初期モデルなので2フィンガー
240°クランプという設計が気に入ってExplosif用に買ったモーターサイクル界で有名ブランドのレンサルのステム
ブレーキはマグラMT6でフロントローターは180mm。絶対的なストッピングパワーもさることながら握り込んで行った時の制動の自然な立ち上がりが好み
e*thirteenのTRS+としては珍しいスパイダーアームつき。なので32Tが最小でこれ以上小さいチェーンリングを使う場合はダイレクトマウントになる
見た目に反してお尻に優しくお財布にも優しいタイオガのスパイダー・ツインテール2。レールは強度重視でクロモリ
リアディレイラーはSRAM XOの10速。スプロケットもSRAMのPG-1070だがローギアをFIREEYEの42Tにしている

迷走するMTB選び

稼働率の低さから結局KONA Explosif Tiを手放してしまったため、オフロード用の自転車はGaapだけという状態になっていた。でも20インチのMTBは走破性の面で何かと制約も多い。年齢的に体力にも翳りが見えてきた身にとっては正直なところ、前転上等の開き直りで小径タイヤでオフロード走行するのがちょっと厳しくなってきた。

そこで考えたのが、Gaapのパーツを活かしつつフレームの入れ替えをして、もう少しオフロードで楽ができるようにならないかということ。“今更”と言われる26インチだって、20インチに較べればかなり楽に凸凹道を走れる気がする。

この時点での思惑は、高くても2〜3万円の26インチMTBのフレームと、安い26インチのホイールを手に入れ、フロントフォークも含めパーツをGaapから移植。Gaapのフレームは部屋のオブジェにでも…というものだった。

ところが実際にオークション等で安価なMTBフレームを探してみると、なかなか甘くはなかった。本当に安いフレームはVブレーキ時代のものばかり。さすがにVブレーキの自転車は今更感が強くて手を出す気にはなれない。ディスクブレーキ世代だと、たまにヘッドショックのスカルペルのフレーム+フォークが出品されていたりはするけれど、それでも程度のいいものは落札価格が6〜7万円になる。さらにホイールを買うとなるとなんだか割に合わない気がしてしまう。

アンドラ公国ってどこよ?

だったらGaapはロード仕様に組み直して売却。それを資金に完成車のMTBを視野に入れたらどうだろう。そう考えてオークションを見直して見ると、ちょっと面白そうな出品物が目に止まった。フランスとスペインの間にあるアンドラ公国という小国に、エンデューロ系MTBを得意とするProduction Priveeというメーカーがある。そこで作っているShanというフレームで組んだ完成車が売りに出ていたのだ。

現行モデルのShanは27.5インチと29インチのMTBだけれど、初期のShanは27.5インチ化も可能な26インチ。出品されていたのはその初期モデルに27.5インチのホイールを組んだもので、最新スペックを追うつもりなど無い身にとっては魅力的なブツといっていい。

こちらとしてはフレーム、ホイール、フロントフォークが目当てなので、ぶっちゃけ付いている他のパーツのグレード等はあまり興味が無い。でもこの車両はシマノのXTやZEEを中心に組まれていて、シマノアレルギーが無ければそのままでも不満無く乗れる構成になっている。これは見方を変えれば、それらのパーツを売却すれば購入費用の回収にも役立つということ。初期値11万円という出品価格から高騰しなければ、これはなかなか美味しいかもしれない。

そんなわけでそのShanの成り行きをウォッチしていたら、知名度の関係からか価格の絶対値のせいか、オークション終了直前まで入札無しの状態が続いていた。そこで最後の最後でこっそりと入札。無事初期価格のまま落札に成功した。やったー、これで私はShanのオーナーです(Wheeler Dealers風に)!

さらばGaap

とはいえこの不景気なご時世に10万円を超える買い物をするので、Gaapはオブジェにするわけにもいかず売却の方向に。装着しているパーツをShanで使い回すため、売却用のパーツは別途入手するという訳の分からないことをしなければならなくなった。

Gaapを売却用に組み直すにあたっては、以前、嫁の赤Gaapを売った時の経験も加味すると、MTB仕様やクロスバイク仕様よりはオンロード仕様にした方が買い手がつきやすそうな気がする。なのでこれまたオークションでsoraや105といった手頃なロード用パーツを入手。とりあえず問題なく乗れる状態に組み直して出品したところ、想定したよりもいい値段で落札された。読みは正しかった。ラッキー!

結局Shanの購入費用と自分仕様にするための必要パーツ購入費用は、このGaap売却益で充分に賄えることになった。ほぼ10年間、オンロードでもオフロードでも楽しく遊ばせてくれたGaapを手放すのは寂しいけれど、最後まで役に立ってくれたということで感謝するばかり。

バラしてみるといろいろ課題が

そんなわけで手元に届いたShanは、いろいろとパーツを組み替えることもあって一旦フレーム状態まで完バラ。で、バラしてみると中古車にありがちな問題もいくつか表面化した。

まずチェーンを外してびっくり。XTRグレードのシマノの最上級のやつが張ってあって見た目もそこそこキレイなのに、リンクの動きが固くて手では曲がらないところがあったりする。掃除はしても注油はしてなかったのかなあ。この調子だといろいろ心配になってくる。

次にフロントフォークを調べて見ると、フォークの動作自体は問題無さそう。こいつが駄目だと追加費用が嵩むので、胸を撫で下ろす。さらにタンゲ製のヘッドパーツの動きをチェックしてもスムーズそのもの。フレーム内部を覗いてみても、チューブ内側は元々コーティングされていることもあり錆等は無く、良好な状態だった。

じゃあBBはどうかと手で回してみると、ベアリングがかなりゴリゴリいってる状態。これはさすがに交換必須ですな。BBはねー、どっちかというと消耗品の部類だから仕方ないね。でもプレスフィットのBB92なんて弄るの初めてだよ。

で、どうせBBを交換するなら、Gaapにつけてた30mmスピンドルのe*thirteen TRS+クランクを装着したい。なので専用BBを発注することにするのだけれど、こいつは国内で在庫を持っているところが少ない。在庫確認とかしている暇があったら、海外通販で買った方が手っ取り早いというのが実情だ。

案の定、ドイツの通販ショップをチェックしたら在庫有りだったので速攻で発注。それでも納期はそれなりにかかるから、新しいBBが届くまでの間、このゴリってる24mmスピンドル用BBのままでもとりあえず走れる状態にしちゃおうかと画策してみることにした。

とはいっても付属のXTクランクは175mm。自分の脚の長さで回すにはちと心許ない。何か使えるもの無かったっけとパーツ箱を漁ると、ありましたよROTOR Agilis XCクランク。これなら24mmスピンドルなので現状のBBで使えるはず。

早速32Tのナローワイドチェーンリングを装着してフレームに組んでみる。と…チェーンリングの歯先とチェーンステーの間隔が妙に狭いんですけど。直接干渉することはないだろうけれど、XTクランク+32Tに較べると2.5mmほど内側に入っちゃうのはちょっと心配。チェーンライン的にも良くないよね、コレ。ここは無理せずBB到着まで待ちましょう。

そして待つこと10日ほどでBBと圧入工具が着弾したので、早速旧BBを取り外してみる。外したベアリングの内側を見て再びびっくり。多数の打痕やら擦れ跡やらで傷だらけですよ。え? オレ、叩いてないっすよ。

BBのゴリゴリは油切れ等でベアリングが逝ってたのではなく、アルミや樹脂のカバーやスペーサーが割れたり変形してレースやボールに干渉していた模様。どこかの段階で誰かがこういう作業をしたのだろうけれど、ショップの作業だとしたら大問題だなあ。そういやBBのベアリング間にスリーブも入ってなかったけど、普通入ってるよねぇ。

まあ、いろいろ問題はあったけれど、無事クランクはe*thirteenがついたし、ブレーキもExplosifやGaapで使っていたマグラを装着してホース長も調整してバッチリ。ハンドルもGaapで使っていたアイオダイン3で、ステムはExplosif用に買ったレンサルの50mmにした。

変速系もGaapから移植のSRAMを使うのだけれど、XOリアディレイラーのプーリーケイジをロングにするかミドルにするかがちょっと悩みどころだった。実走してみてギア比が不足気味なら、リアスプロケットをよりワイドレンジのものに交換する可能性がある。その際のことを考えるとロングケイジでキャパシティに余裕を持っておいた方がいいような気もする。けれど結局はフロントシングル故に現状ではキャパシティが間に合ってるし、テンションプーリーも2T大きいものを入れてチェーン巻き取り量を増やしてあるのだから、グランドクリアランスに余裕が出るミドルケイジでいいかってことで落ち着いた。

多くのパーツをGaapからの引き継ぎで組み上げたShan俺様仕様は、重さを測ってみると約12.5kg。同じ27.5インチだったExplosifと較べると1kgほど重い。でもExplosifはフレームがチタンだったし、ホイールも軽いコバルトだったりしたから、この程度の重量なら想定内と言や想定内かな。

組み上がった後の最終チェックで近所を軽く試走してみたところ、実重のわりに身体で感じる重量感が軽いし、クロモリという素材のせいか乗り心地も優しい感じだった。ポジションを少し煮詰めたら、トレイルに乗り入れてみるのが楽しみだなー。



FRAMEProduction Privee Shan
FORKX-fusion SLANT RL2, 100mm×15mm, 140mm travel
HEADSETTANGE SEIKI, IS42-IS52 integrated headset, 1-1/8" top, 1.5" bottom
SEAT POSTcrankbrothers cobalt3 straight 30.9mmφ
HANDLE STEMRENTHAL Apex (50mm)
HANDLE BARcrankbrothers Iodine3 (low rise)
BRAKEMAGURA MT6
SHIFTERSRAM XO
CRANKe*thirteen TRS+ (170mm 32T)
BOTTOM BRACKETe*thirteen BB92
REAR DERAILLEURSRAM XO
SPROCKETSRAM PG-1070 (11-36T) with FIREEYE (42T)
CHAINCampagnolo Record 10s with CONEX Link
HUBShimano DEORE XT HB-M788 100mm×15mm thru axle / Shimano DEORE XT FH-M785 135mm×9mm QR
RIMStans NoTubes ZTR Crest 650B
TIREWTB RANGER 27.5×2.25
SADDLETIOGA Spyder Twintail 2
PEDALcrankbrothers eggbeater Mallet E
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